加速する企業の人事評価のカスタマイズ化 これからのトレンドは?

HRテック

人事評価制度にも傾向があり、時代の流れに即して内容も変化します。

2025年の人事評価における主なトレンドは、
1. 役割主義への移行
2. 行動重視の評価
3. 評価サイクルの短期化とリアルタイム化
4. ランク付けの廃止
5. 評価の透明性向上
6. デジタルツールの活用
と言われています。

トレンドに強く引っ張られる必要はありませんが、時代に合わせた評価制度を取り入れることで、従業員のモチベーション向上や組織全体の生産性向上を期待できます。

また、今後は、企業ごとに独自の評価制度を作る流れが加速すると見られています。

人事評価制度の「カスタマイズ化」

人事評価制度がカスタマイズされる背景

企業ごとに独自の評価制度を作る流れが加速する背景として、下記の要因が挙げられます。

労働市場の変化
就業者数の増加や人手不足の深刻化、転職希望者の増加

多様な働き方への対応
副業・兼業や短時間勤務、リモートワーク(テレワーク)など

人的資本経営へのシフト
人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に活用することの重要性の高まり

これらを見ると、少子化や多様性といった社会情勢を踏まえなくてはならず、画一的な制度ではなく、自社に合った評価制度を独自に構築するということが必要不可欠だということがわかります。

具体的なカスタマイズとは

スキルベース評価の強化
スキルや知識、専門性を重視し、従業員が生産性をあげるために、必要な技術的な能力や専門知識をどの程度持っているかを評価します。
資格・実績・プロジェクト成果で給与や昇進が決定したり、 「資格・検定」取得による資格手当を導入する企業が増加しています。

貢献度評価の導入
チーム業績を重視し、組織への貢献度を重視する評価制度です。
「個人の成果」だけでなく、「チーム全体への影響力」も評価対象に加えることで、メンバー同士の協力体制を加速させ、エンゲージメントやモチベーションの向上が期待できます。
上司からだけではなく、同僚・部下、また、社外のプロジェクトメンバーなどから評価を受ける、360度評価の採用が増えています。

プロジェクト型評価の採用
特定のプロジェクトや、社員が関わるプロジェクトの成果を評価する方法です。
貢献度を明確に把握することができ、プロジェクトごとにKPIを明確化して報酬に反映させたりすることで、社員のモチベーション向上や業務改善に繋がります。

ウェルビーイング評価の増加
幸福感・満足度・生活の質・健康状態など、社員の考慮した評価制度です。
ストレスマネジメントやワークライフバランスを考慮し、健康経営銘柄(厚生労働省認定)の取得を目指す企業増えています。

企業の業界や職種に合わせるには

業界が異なると、取り入れる人事評価制度も変わってきます。
働き方を重視する企業であるならば、「ウェルビーイング評価」が適しているかもしれません。
また、職種ごとに求められる成果や貢献の形が異なるため、評価制度を変える方が合理的だと言えるでしょう。
専門職(エンジニア・コンサルティング・研究職など)は、スキルベース評価
営業・販売職 は、成果主義+貢献度評価
プロジェクト型業務(マーケティング、企画) は、プロジェクトベース評価
など、成果の測り方が異なる点も、自社のカスタマイズを加えたほうがよいでしょう。

まとめ

変化の激しい業界で企業の競争力強化するためには、人事評価制度を時代に合わせてカスタマイズしていく必要があるでしょう。
もちろん、企業の文化や業界、目指す方向性によるため、バランスを取ることが重要ですが、既存の評価制度と新しい評価制度を組み合わせて、自社オリジナルのハイブリッド型評価制度から初めてみるのもよいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました