従業員エンゲージメントとは?モチベーションとは何が違う?基礎知識と必要性

企業カルチャー

生産性や離職率への影響があるとされる従業員エンゲージメント
慢性的な労働力不足を背景に、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出す必要性から注目が集まっています。
今回は、従業員エンゲージメントの必要性や効果を説明していきます。

従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、「従業員が企業に持っている貢献意欲」のことです。「愛社精神」と言い換えられることもあります。
「エンゲージメント(engagement)」は「契約」「約束」という意味があり、従業員と会社との結びつきの強さをあらわしているので、従業員が企業の目指す方向に共感していることが前提になります。
従業員エンゲージメントが高い従業員は、企業への愛着から離職率が下がり、貢献意欲からモチベーション高く業務に取り組むと言われています。

従業員エンゲージメントモチベーションとの違いは?

従業員エンゲージメントとモチベーションと混同されることがありますが、どこから生まれてくるかの違いがあります。従業員エンゲージメントは会社との関係性から生まれるものですが、モチベーションは本人の内側から生じます。特に会社への愛着がなくても、「収入のため」や「単純に仕事が好き」という理由からモチベーションがあがることもあります。

従業員エンゲージメントを高める必要性

離職率の低下

従業員エンゲージメントが高い従業員は、企業への貢献意欲が強いため離職率が低下します。また、離職率の低下は、採用コストの削減にも繋がります。

業績の向上

貢献意欲から、労働生産性が向上しやすいといわれています。
従業員エンゲージメントのスコアと企業の生産性、業績には相関関係があるとされていて、従業員エンゲージメントの向上によって営業利益率や労働生産性が向上するという報告もあります。
参考資料集(令和2年7月 経済産業省 産業人材政策室)

顧客満足度の向上

自身が企業に愛着が強い状態でいると自社のサービスや商品の品質向上にも前向きに取り組みます。その結果、顧客の満足度向上にも繋がります。

従業員エンゲージメントを高める方法とは?

企業理念や企業ビジョンを浸透させる

従業員が「企業理念に共感しているか」は欠かせない要素です。従業員が企業の方向性を理解し共感しているほど、貢献意欲が強くなります。企業理念やビジョンは明確にして、組織全体で共有することが大切です。

ワークライフバランスへの対応

社会全体が多様化している中、働き方改革が推進されワークライフバランスを重視した働き方が求められています。企業は、「ワークライフバランスを取ることができる」という環境を整備することが必要です。

公平性の高い人事評価

評価を正しくしてくれない企業では、信頼が持てず貢献しようというモチベーションは生まれません。
公平性が高く適正な人事評価は、従業員エンゲージメントの向上に必要不可欠でしょう。納得性の高い評価であれば、仕事への積極的な姿勢につながることもあります。

キャリア形成のサポート

従業員は、仕事を通じてキャリアアップができると、より貢献意欲が高まります。そのため、従業員のキャリア開発の施策を取り入れることも、エンゲージメント向上に繋がります。業種や役職ごとにキャリア形成の研修を取り入れたり、資格取得のサポートを充実させることで、「自分への期待」を感じられ「大事にされている」という満足度にも繋がります。

社内コミュニケーションの活性化

組織内のコミュニケーションが不足していると関係性が薄くなり、会社への愛着も持ちにくくなります。そのため、コミュニケーションが活性化されるようにすることも大切です。1on1ミーティングで上司と部下の信頼関係を構築したり、ランチミーティングでチーム内のコミュニケーションを取るなど、交流が活発になるように企業としても後押しをするとよいでしょう。
テレワークが導入されている企業の場合は、オンラインツールを有効に利用するとよいでしょう。

福利厚生の充実化

働きやすい環境で働くことができると、従業員は満足して従業員エンゲージメントが向上します。自社を特徴つけるような独自の福利厚生の充実は従業員に向けてだけではなく、採用活動においても効果が発揮できるでしょう。

まとめ

従業員エンゲージメントの向上は、企業への人材の定着や業績の向上など様々なメリットがあります。人事評価制度やキャリアサポートなど、根本からの改善も必要となってくるかもしれませんが、企業の成長スピードをあげるため従業員エンゲージメントを上げる施策を考えてみてはいかがでしょうか。