退職は突然ではない 退職する従業員のサイン

従業員マネジメント

終身雇用が当たり前ではなくなった昨今では、企業にとって人材の確保が一番の課題だと言われています。
その中にあって従業員の退職は、企業にとって大きな損失となり、また、その退職が突然だと業務にも混乱を招いてしまいます。しかし、退職者側は1日や2日の短期間で退職を決断するものではなく、なにかしらの兆候が見られる場合もあります。

今回は、退職を考える従業員に見られる兆候とその対策をご紹介いたします。

退職しようとする従業員のサイン

退職をしようとする従業員のサインを6つあげます。

仕事へのモチベーションが低下する

「会社を辞めたい」と思い始めると、仕事への愛着や熱意がなくなり、「言われたことの最低限だけ行う」など、業務に対して消極的になっていきます。
引継ぎの煩わしさを考慮して、「新たな担当を拒否する」ということも見られるかもしれません。

社内でのコミュニケーション量が減少する

「この場所でのコミュニティは不要だ」という考えから、社内でのコミュニケーション量は減ることがあります。
以前は、お昼休みや休憩時間に同僚と雑談していた従業員が一人でいるような時間が増えるというのは、「仕事を辞めるつもりでいる」という理由からだけではなく、「業務量が多すぎて忙しい」「同僚とのトラブル」など、他の原因もあるかもしれませんが、いずれにしても仕事に関する悩みを抱えていることがあります。

欠勤・遅刻・早退が増える

もちろん、休暇の取得は必要ですが、仕事へのモチベーションが保てず、勤怠への不良が見られたりします。そのようなメンタルの不調にもケアは必要ですが、転職活動を行っていたり、有給休暇の消化を考えていたりすることもあります。

定時に退社する

定時に退社するというのは、好ましいことですが、「以前は少し雑談をしたのにそれもせずに退社する」というのは、社内でのコミュニケーションを避け、転職活動を行っているかもしれません。
また、どうしても残業をせざるを得ない場面でも、業務に対して責任感を失っている場合は退社をしてしまうこともあります。

資格の取得に力を注ぐ

スキルや技術の向上を考えて資格の取得を行うことが多いとは思いますが、現在の業務にあまり関係ない資格の取得をしたり、研修に参加したりというのは、転職を考えている可能性もあります。

周囲への配慮がおろそかになる

転職活動が進んていたり、転職先が決定している場合、新しい環境への期待と比例して、辞める会社内のことに関心がなくなります。
仕事仲間に、挨拶をしなくなったり、言葉や態度が雑になることがあります。

兆候が見られたら場合の対処

前述のような兆候が見受けられたら、すぐに声をかけるようにしましょう。

退職を考える理由として、
人間関係への不満
給与への不満
労働環境や労働時間への不満
仕事のやりがいがない
会社と自分の方向性があわない
という理由が多くあげられます。

しかし、「会社は何も改善してくれない」ということが一番の原因になります。
退職を考える初期の状態であれば、不満を聞き、どのように解決をしていくかを一緒に考えることで、退職することを考えなおすこともあります。
転職とは全く別の理由からそのような態度が現れるかもしれませんが、「以前とは違う態度」が見られる場合は、話を聞くことでトラブルを未然に防ぐことに繋がることもあります。

コミュニケーションの取り方

そもそも、退職を考える兆候に気づくというのは、普段から気にかけていないと難しいものです。コミュニケーション不足から「突然の退職」ということに繋がってしまうのかもしれません。
普段から小さな変化に気づけるようなコミュニケーションをとることで、不満が大きくなるまえに問題の解消ができることもあります。
リモートワークが増え、コミュニケーション量が減っていると感じていたら、1on1ミーティングを行うことを検討してみてはいかがでしょうか。オンラインでも、定期的に行うことで、コミュニケーション量が増え、仕事に対する課題や姿勢の共有がしやすくなります。

まとめ

今回は、退職者の出す兆候や対処方法をまとめました。
「悩んでいることを知らなかった」と突然の離職につながらないように、コミュニケーションをしっかりと取り、小さな変化に気をつけることが大切です。