OKRと従業員のエンゲージメントの関係

OKR・パフォーマンス

企業目標に対するマネジメントフレームワークとして注目されるOKRは、従業員のエンゲージメントを高めることにも有効とされています。従業員のエンゲージメントを高めることは、組織力の強化、個々の従業員の成長も促していきます。
OKRと従業員のエンゲージメントが具体的にどの点で関わり合っているのかを紐解いていきます。

OKRとは

OKR(Objective and Key Result)は、掲げる目標に対して、どれくらい進めているかの評価管理のための手法です。目標は達成できると確信できる程度よりやや上のレベル設定をして細分化し、達成に必要な行動に落とし込みます。
最終評価での達成率は70%程度が理想とされています。

企業視点で見ると、ピラミッドの頂点が企業の最大の目標(Objectives)となります。
その目標達成のために必要な複数の達成するべきこと(Key Results)を決め、個々の(Key Results)は、担当部署に割り当てられることになります。担当部署の視点で見ると、割り当てられた(Key Results)がピラミッドの頂点となります。
つまり担当部署の(Objectives)となるわけです。

OKRはこれを従業員個々の下層に至るまで繰り返し、組織全体が一つの方向に向かって、個々の目標達成を目指す縮図を完成させます。ただ、OKRの目的が目標達成ではなく評価指標という認識は必要で、理想的な組織づくりの上でもプラスになることの多い手法となっています。

Googleをはじめ、Intel、Amazon、FacebookなどIT企業の導入が主流でしたが、その生産性や効率性向上の効果は社会への影響力を見ても有効という見解が強まり、他の分野のビジネスにも広がり始めています。

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の関わり度合いを表す言葉です。ですから、双方の意識から相手(企業でいう従業員、従業員でいう企業)が抜け落ちてしまえば、エンゲージメントは存在しないことになります。
同じ方向に向かってともに高め合っていくものといえるでしょう。

従業員エンゲージメントは、従業員が組織のために「長時間の時間を割く」「すべてを仕事に捧げる」というものではありません。そこには犠牲やストレスが伴います。
それでは従業員の自立性や創造性が育ちにくく、強みや能力を最大限に発揮することも難しくなることを、多くの企業、従業員たちが歴史の中で学んでいるはずです。

企業は従業員に自己実現や成長の喜び、自社に属することの重要感を持たせる組織の流れと仕組みを作ることが必要です。
それによって自立し、強みを活かした創造性を捻出する支援を感じる企業に従業員は高いエンゲージメントを持ちる続けるといわれます。
この点が、給与や待遇では到底敵わない、従業員の心理的なエンゲージメントの源泉なのです。

相乗効果をもたらすポイント4つ

OKRと従業員エンゲージメントは相互に良い効果をもたらすものです。
具体的にどのような点で作用しあっていくものなのか4つのポイントについてご紹介します。

優先事項に対する集中

OKRの設定で従業員は本当に集中しなければならない点を見極め、優先事項として(Key Results)を公言することになります。

集中ポイントが明確になることで、無駄なことに時間を使うことが減るでしょう。それによって、気を散らすことなく目標に向かえるので達成度は高まり、達成感や充実度、その先への意欲も湧かせます。あれこれ気になってしまったときに捻出しにくい工夫、改善、創造性を自発的に生み出しながら良好なスパイラルで進められるようになります。

業務目的の認識

OKRの設定で従業員は、毎日の業務の中で自分の仕事の意義と重要性を認識しながら進めていくことができます。何のために自分はその業務をしているのかという疑問が湧いたり、無意識に無駄なことに時間を費やしたりというリスクを減らせます。

また企業とすべての部署と従業員が、ともに同じ方向に向かって目標達成を目指しているということが常に可視化された状態なので一体感や個々の士気の向上にもつながります。

共有による責任と自己重要感

OKRでのすべての従業員の目標とKey Resultsは、企業トップの目標(Objectives)につながっています。Key Resultsの選定は、従業員の組織全体に対するコミットメントとなり、遂行のための良いプレッシャーも生まれます。
共有によって組織全体の中で自分の目標達成(自分の仕事)がなくてはならないものという認識も強まります。

評価する際も従来の企業や上司からの閉鎖的な評価だけでなく、自分が公表する結果はすべての従業員も認識することになります。
これによって評価に公平感も生まれます。

組織や上司からの適切な支援

OKRを設定し、共有し、日常の業務の進捗を可視化していくことによって、従業員が何を目標としていて、何に躓いているのかが、組織側からもわかるようになります。
つまりその従業員が何を求めているかがわかるので、適切な支援やサポートを行うことができます。優先事項に注力できるように日常の仕事の割り振りを調整することも可能になります。

OKRを活用していく中で日常でのコミュニケーションやフィードバックも欠かせないものですが、それらの内容も的を射たものにできるでしょう。

OKRは一体感を引き出すものです。従業員と企業、従業員と上司との認識のギャップを埋め、良い流れて最大目標となる企業のゴールに向かえます。OKRによって、従業員は自分の役割と責任が明確になります。自分の行った仕事について自分自身でも納得のいく評価ができ、それと同等の評価を組織全体に認識してもらうことができる点もエンゲージメントに必要といえるでしょう。