年上部下 マネジメントの5つの心得

社内風景 従業員マネジメント

「年上部下とは何か?」

自分自身が管理職として職場のマネジメントを任されて、その職場に自分よりも年上の従業員が部下になるケースです。
また自分自身が昇進をして配属された部門に年上の従業員が部下になるケースです。
年上の部下が居た場合、リーダーとして部署というチームをまとめる事が業務です。年下の部下は扱い易いですが、年上の部下が配下に居た際は、どうすれば良いのでしょうか?
日本社会のグローバル化で年功序列制度が崩壊しています。日本型人事制度から実力主義や実績・成果による評価の人事制度へ移行しています。
今後役職に就任すれば年上の部下を引き受けるケースは、増加する事はありますが減少する事は無くなります。

「年上部下との働き方は?」

管理職であっても人間が担っている職種です。年下・年上の部下に対しては、配下の従業員には平等に扱う事が、管理職の基本的な姿です。部門内で共有する情報は部門内で平等に共有し、均等に業務を指示する事が重要な役割です。
例えば、不具合を生じた際は、他の部下同様に注意をし、良かった時は褒めるという基本的な指示方法をルーチン化して、年下管理職と一緒に業務を進めていく姿勢をみせていく事が大切です。
また、敬語の使用是非はその部下によって異なりますが、基本的には敬いの気持ちを忘れずに敬語で話す事が慣例となっています。人生の先輩ですので、敬うことは大切です。言葉使いひとつで、出来る上司と否な上司が決まります。バランスの良い効果的な指示をして業務を進めましょう。

「年上部下のマネジメント方法は?」

年齢に上下よりも責任と立場で勘案すると目の前の霧が晴れます。年上部下との付き合い方に悩む管理職は多くいます。同じように、年下上司とどのように付き合っていけば良いのかを悩んでいる年上部下も多くいる事を意識しておくと良いでしょう。
自分自身が上司の責任を果たすために、業務に懸命に取り組んでいるのにも関わらず、無礼な態度で接するケースや、業務の進め方に年下というだけで文句を言うケースや、その部門で長く就業しているので、年上部下なりの業務方法が確立しているケースの人もいるかもしれません。
しかし自我を通す部下に対しては、むしろ気を遣う必要は無いとのスタンスで臨んだ方が、業務をスムーズに進め易いという場合も多くあります。
業務命令であっても指示する要件を伝える際は、命令を下す姿勢から業務をお願いする姿勢に切り換えましょう。人生の先輩ですので敬う姿勢は見せるべきです。最終的に企業はどちらが管理職か部下では無く、責任の重さが違います。
年下管理職になれば、管理責任や部門評価の対象になります。責任・立場は部下と比較すると大きな差が生じます。上司と部下としての一定理距離感を持って業務を進めれば、適切な付き合い方の形も見えてきます。

「年上部下マネジメントの5つの心得は?」

年下部下のマネジメントを5つの観点から説明します。

第1に、基本は人と人の繋がりです。

小手先で改善する事はありません。組織に機械的な上下関係がある訳ではありません。上司である管理職も部下である部門員も人間です。基本は人間が動作して業務を担っている事が根本であり、当該の部門は人間で組織化されています。
部門の構成員が年上であるか年下であるかは関係無く、人と人で構成されている事を前提にする事が大切です。

第2に年齢を考える前に、管理職の方が立場は上であることを再認識する事です。

上司は自分自身です。年上部下でも指示や命令を下します。年上の部門構成員は業務経歴が長いため、上司である管理職の行動を良く観察しているようです。また年齢差が壁になるケースもあります。
年下部下と年上管理職の経験の差を埋めるには、年齢の差が広がれば経験や知識に差が生じる事は当然です。そこで、敬語を使います。相手の性格や相手との親しさ、就業場所の環境に左右されますので、一概には言えませんが、人生の先輩である事は確かです。一般的に相手に敬意を表わすために敬語を使う事をお勧めします。

第3に年上部下である事を尊重します。

年下部下のプライドを尊重する事が大切です。プライドが無い人間は居ません。各人がプライドを持っています。経験の差を尊重して敬う事を前提に業務を進めていく事が大切です。

第4にコミュニケーションを取る事です。

組織の原点は人と人との繋がりで構成されています。その繋がりを作るには、相互理解をする必要があります。理解が出来ないところに、繋がりは生じません。そのためには、管理者の自分自身を理解してもらう事です。自分自身の意思・考えと理由をはっきりと示す事が大切です。

第5に年上部下を扱いにくいと感じた際の対策です。

なぜ、扱いにくくなったか原因を明らかにする事です。年上部下が扱いにくいと感じた際には、自分自身の気付きの不足かも知れません。それは、自分自身の管理職としての浅い経験に起因している可能性があります。それでも、改善させないケースは、接遇するスタンスに距離を置いてみましょう。少し離れて観点を変えると、違ったものが見えてくることもあります。また、自分自身の上司や同期の管理職から経験談を得ることも忘れずに実施しましょう。

まとめ

日本の企業は従来から慣習となっていた、年功序列制度が崩壊して始めています。毎年定期昇給があり、30歳で係長・40歳で課長・50歳で部長に昇格する制度は一部に限られた構造となってきました。30歳で部長になり50歳でも平社員である逆転現象が生じています。そこでは年下上司・年上部下の関係が多くなっています。また非正規労働者やパート職・フリーランスと就業形態も変遷しています。これからの日本社会では年上部下が多くなっていくと言われています。人生の先輩ですので、敬って接することが重要です。