納得性のある人事評価をするためのコツ

資料 従業員マネジメント

社員の能力や一定期間の業務への取り組み、到達状況により、その社員の評価を行う人事評価。その結果が昇給や昇格にも影響されるため、評価者も被評価者も敏感になる制度です。被評価者として、努力したことは認めてほしいと思うものですし、その評価の理由を知りたいものです。しかし、被評価者と評価者との期待のギャップから評価の結果に差が生じてしまい、被評価者が納得いかず、お互いの間に溝ができてしまう…ということが往々にして起こります。

ここでは、納得性のある人事評価をするためのコツについて、マネジャーとして知っておきたいポイントを、評価基準となる目標設定面談を行う前、目標設定時、評価期間中、評価フィードバック面談という4つの段階に分けてお伝えしていきます。社員の能力や一定期間の業務への取り組み、到達状況により、その社員の評価を行う人事評価。その結果が昇給や昇格にも影響されるため、評価者も被評価者も敏感になる制度です。


1.部下と目標設定をする前に知っておきたいポイント

2015年にNTTコムが実施した人事評価に関するアンケートの「評価の不満理由」で最も多かった意見は「評価基準が不明確」というものでした。納得のいく人事評価を行う上で、一番重要となるのが、その基準ともなる項目を決める部下の「目標設定」です。その目標設定を行う前に、マネジャーとして以下のポイントを押さえておきましょう。

会社の目指している方向性を理解する

人事評価のそもそもの目的は、会社が業績を上げ、事業を存続していくために、人の能力を会社の中で効果的に活かしていく人材マネジメントの手段の一つと言い換えられます。そのため、会社が今どこを目指しているのか、ということを、マネジャー自身が理解しておく必要があります。

会社から期待されている役割を認識し、言語化する

先ほどの話とリンクしますが、所属部署が会社からどういった役割を期待されているかを認識し、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。そして、部下に対して、会社からの期待を部署のレベルに落とし込み、会社の目標について現在の自分たちの業務上でどこを目指すべきかを共有しましょう。そうすることで、部下が目標設定を考える際のヒントとなり、マネジャーの期待する目標とのずれが生じづらくなります。事前に伝えておくことで目標設定面談の時にそのすり合わせをすることができます。

 


2.部下と目標設定面談をする時に知っておきたいポイント

部下と目標設定面談を行う際には、以下のポイントに気を付けましょう。

目標は可能な限り数値化し、目標基準を明確化させる

目標は、客観的に判断できるように可能な限り数値化しましょう。営業であれば売上や顧客へのアプローチ頻度、というように数値化しやすいけれども、事務職の場合は難しい…という方もいるかもしれません。その場合でも、数値化、もしくは作業内容を具体化させて下さい。例えば、「業務を効率化させる」という目標に対し、さらに具体的に「現在ファイリングが徹底されていない事務関連の書類を項目ごとにファイリングする(今期中)」でもいいですし、「週に1度は課内の書類整理日を作り、不要な書類については破棄、書類スペースを現在の4分の3にする」など、「頻度」や「数」「期間」などで表現させましょう。

部下への期待だけではなく、マネジャーも具体的にサポートをする旨を話す

目標設定の面談で、会社の目標と、所属部署が期待されている役割を一方的に伝え、目標内容を調整するのではなく、その目標を設定した場合にマネジャーがどのように部下へサポートするかも具体的に伝えて下さい。


3.評価期間中に知っておきたいポイント

部下が目標に向かって試行錯誤している評価期間中は、次のことを意識しましょう。ここを丁寧に行うかどうかで、評価の納得性に大きく関係していきます。

1~2週間に一度、部下と面談の機会を作り、進捗を確認。状況を共有する

目標を設定したら、あとは評価の時期まで放置するということは避けてください。部下が自身で決めた目標を達成するために、マネジャーはそのサポートを行います。昨今、1on1ミーティングといわれる、マネジャーと部下が週に1度、1時間~30分程度面談を行い、仕事の状況を共有するという施策を導入している企業も増えてきています。そのように、部下一人一人と状況を共有する時間をとりましょう。その際のポイントとして、7割は部下に話をさせて下さい。ついついマネジャーが話をしすぎて時間がすぎる、ということもありますがそれでは逆効果です。

職場での部下の行動について、気が付いたことはメモをしておく

日常の部下の行動で、気になることがあれば書き出しておきましょう。当然ですが、好ましい面、好ましくない面、両方を書き出して下さい。そういった日常の行動についての認識も、フィードバック面談時に納得性を高める根拠となり得ます。


4.評価フィードバック面談の時に知っておきたいポイント

結果を伝えるフィードバック面談。部下の期待と異なる結果を伝える場合、納得性を高める面談にするために、以下のポイントを意識してください。

フィードバック面談を行うときは、事前に時間と場所を設定し、集中して話ができるようにする

面談を実施する際は、部下が結果を納得して受け止めるためにも、集中して話ができ、途中で打ち切ることの内容に時間をたっぷりととって下さい。部下とマネジャー自身の都合のいい時間を早めに確保し、部屋も会議室を予約するなど、二人で集中して話ができる場所を社内でとるようにしましょう。

よかった点→足りなかった点→今後への期待というステップで話をする

フィードバック面談を行うときは、よかった点から話をし、部下の面談へのモチベーションを下げないようにしましょう。そして、足りなかった点については、今後への期待を込めた視点で説明をして下さい。

部下の自己評価とギャップがあるところについては、丁寧にそのギャップを説明する

人事評価への不満が大きく出るのは、被評価者の自己評価よりも、評価者の評価が低かった時でしょう。その点については、「なぜそうだったのか」という評価の根拠を、評価期間中に気が付いたことなど具体的な内容をもとに説明をするように心がけて下さい。そして、ギャップについて、今後どのように取り組めば、評価へとつながるか、こちらも可能な限り具体的に伝えるように意識づけて下さい。部下に不満がありそうであれば、しっかりとその不満を受け止め、途中で話を遮ったりしないようにしましょう。

以上、納得性のある人事評価をするためのコツについて、お伝えいたしました。ポイントを複数お伝えしましたが、評価をして部下が納得するための大前提は部下との「信頼関係」にあるといえます。上記のポイントを押さえつつ、日常のやり取りの中で、部下との信頼関係をしっかりと構築するようにしていきましょう。