1on1ミーティングで部下に「話すことがない」と言われたら?

従業員マネジメント

人材の育成にとって効果的であると言われている1on1ミーティング
しかし、部下に「話すことがありません」と言われたり、1on1ミーティング自体を拒否されたりといったこともよくあるようです。
「ではやめよう」とやめてしまうのは、短絡的過ぎます。
なぜ、「1on1ミーティング話すことがないのか」「1on1ミーティングを嫌がる」のかを理解することから始め、対策を考えてみましょう。

なぜ、1on1ミーティングで「話すことがない」と言われるのか

信頼関係が構築されていない

部下側が上司に対し、「話しをしてもきちんと聞いてくれていない」「相談をしてもアドバイスも改善もしてくれない」というような印象を持っていると、上司に対して信頼感がなく「話すことがない」と口を閉ざしてしまいます。
「話すことがない」のではなく「話しても(ただ話すだけで、何も改善されないし期待もできないから)意味がない」ということでしょう。

1on1ミーティングの意味やメリットを部下が理解していない

1on1ミーティングの意味やメリットを感じられないと、「話すことがない」という言葉に繋がることもあります。

1on1ミーティングのため業務の時間を割きたくない

業務に追われていると、「話すことがない」として1on1ミーティングを嫌がるかもしれません。1on1ミーティングを行うより他の業務に時間をあてたいと思う気持ちもありますが、根底で1on1ミーティングのメリットを感じていない場合もあるかもしれません。

話しをすることが苦手

話しをすることが苦手なタイプの人は、話すことに緊張してしまいうまく話せないのではないかと心配で「話すことがない」と言うかもしれません。また、「こんなことを話したら笑われてしまうのではないか」「このような話しをしてもいいのか」と内容も考え過ぎてしまい、結果「話すことがない」ということに繋がっていきます。

上司に対して萎縮している

部下は上司が忙しいことを知っています。ですので「自分のために時間を取る」ということが上司にとって申し訳ないという気持ちから「話すことがない」というように現れてしまうこともあります。

1on1ミーティングで「話すことがない」と言われた時の対策

信頼関係をつくる

1on1ミーティングは、上司と部下の間で信頼関係がなければうまくいきません。
信頼関係の構築は難しく、「自分を信頼してくれ」というだけではもちろん一朝一夕で築けるものでもありません。
日常から部下の様子をよくみて、普段と変化が見られた場合声をかけるなどして、少しづつ関係の構築をしていきましょう。
昨今では、リモートワークが増え対面で会う機会が減って来ていることもありますが、チャットツールなどを利用して「何か困っていることはない?」など、時々声掛けするのもよいかもしれません。

部下の話しを聴く

部下から何かの話しがあった場合、きちんと聴いているでしょうか?
忙しいからといって何かしながら、例えばパソコンのモニターを見ながら聴いているということはないでしょうか。
このような態度だと、「話しにくい」と部下は感じてしまいます。
また、話しをさえぎったり、途中から自分の話しにしてしまったり、回答を求められてもはぐらかしたりといった態度を取ってしまってはいないでしょうか。これでは、「話しても、聴いてくれず、信頼もできない」となってしまいます。
部下の話しは、
・手をとめて聴く姿勢になって話を聴く
・話しをさえぎらず最後まで聴く
・求められたアドバイスにはきちんと答える
など、上司側も部下に誠実に聴く姿勢を取ることが大切です。

1on1ミーティングの意味を部下にきちんと伝える

部下は1on1ミーティングの意味や目的をしっかり理解しているでしょうか。上司側は部下にそれをきちんと伝えなえればなりません。また、上司側も伝え続ける中で、1on1ミーティングは「部下のものである」という意識をしっかり持ちましょう。

慣れるまでは雑談でもOKとする

「話すことがない」という部下との1on1ミーティングは、コミュニケーションの一部と割り切って雑談だけでもよしとしてみてはいかがでしょうか。
そもそも、「話すことがない」と言うのは、上司と部下間のコミュニケーションがうまくとれていないということが原因ではないでしょうか。
雑談でも話しの腰を折らず聴き手に徹し、「話しがしやすい」というように感じてもらえるようにしましょう。「話しがしやすい」というのは「困ったことがあった時に相談しやすい」ということへの第一歩になります。
相談がしやすいことで、困りごとを一人で抱えず、トラブルを未然に防ぐことに役立っていくでしょう。
雑談からの1on1ミーティングも、徐々に仕事で困難に感じていることや悩み事などを話すことができる1on1ミーティングにしていけばよいでしょう。

まとめ

1on1ミーティングを行おうとした際、部下に「話すことがない」と言われた場合は、そもそものコミュニケーションの取り方について考えてみましょう。
1on1ミーティングを続けていくうちに徐々に信頼関係を築くことができると言われています。「話すことがない」というのは、どこかでそれがすれ違っている可能性があります。
業務上で支障をきたす前に、コミュニケーションの改善をする対策を行っていきましょう。