「1on1ミーティング」とは、上司と部下が1対1で行うミーティングのことを言います。
「1on1ミーティング」はシリコンバレーなど海外でも人材育成の手法として注目を集めています。
しかし実際には「1on1ミーティング」を取り入れてみても、なかなかうまくいっていないチームも多くあります。
そこでこの記事では「1on1ミーティング」の時間はどのくらいが適切なのかについてご紹介します。
1on1ミーティングの目的とは
1on1ミーティングの時間がどのくらいが適切なのかについて、解説をする前に1on1ミーティングの目的を振り返ってみましょう。
1on1ミーティングの目的は、部下が上司に対して仕事で経験したことについての悩みや現在の気持ちなどを率直に伝えて、部下と上司との関係性を高め、部下に適切なアドバイスをできる環境をつくることを目的としています。
ただ、これでは日常の会議や査定と大きく変わりません。
1on1ミーティングの効果としては、かしこまった場ではなくお互いに本音で話せる関係性を作ることが、1on1ミーティングの目的なのです。
1on1ミーティングの一般的な時間は?
次に1on1ミーティングの一般的な時間はどの程度でしょうか。
結論を言えば、会社によって1on1ミーティングの時間には差がありますが、多くの企業では30分〜60分程度の時間を設けているケースが一般的です。
ただし1on1ミーティングの時間が30分〜60分程度の時間で良いのかは、組織やチーム、上司や部下の性格や関係性によって見直した方が良いでしょう。
時間が長いリスク
1on1ミーティングの一般的な時間が長くなってしまった場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
1on1ミーティングの時間が長くなってしまうことで、話の内容が本来の1on1ミーティングの目的である
業務上の悩みや部下本人の仕事に向き合う気持ち以外に雑談をしてしまうことによって、話が間延びしてしまうリスクがあります。
また1on1ミーティングの時間は業務時間内ですので、部下と上司のそれぞれの時間を拘束してしまうことによって、業務が非効率的になってしまうリスクがあります。
時間が短いリスク
一方で時間が短くなってしまうと、部下が上司に対して悩みや気持ちなどを率直に伝えられない可能性が高まります。
特にチームの人数規模が大きく普段から上司と部下との関係性が希薄なチームの場合には、1on1ミーティングの時間が短いことによって、ほとんど何も話せず差し障りのない内容に終始してしまいます。
このような状況になってしまうと、せっかく1on1ミーティングを行っていても全く意味がなくなってしまい形式的な内容になってしまいます。
これでは時間を無駄にしないように1on1ミーティングの時間を短縮したものの却って時間の無駄になっています。
どうやって1on1ミーティングの時間を決めるのか
チームでは、どうやって1on1ミーティングの時間を決めるのがよいのでしょうか。
具体的には、チームの状況や部下と上司の関係性によっても異なりますが、最初は長めに時間を取りながら、徐々に短くしていくと良いでしょう。
長めとは言っても無駄に長すぎてしまうと雑談が中心となってしまい、結局無駄な時間が増えてしまいます。
できれば、30分〜60分程度の時間の範囲内で少し長めに話をすることが重要です。
そして、徐々に時間を短くしていくと適切な時間に落ち着いていきます。
また1on1ミーティングの頻度にも注意が必要です。
具体的には、1回60分間の1on1ミーティングを行うよりも30分間の1on1ミーティングを2回行った方が、関係性の構築には有効なのです。
結局のところ、上司と部下といってもお互い人間ですので、人間関係の構築をするためには、単純な接点の時間よりも接点回数の方が重要なのです。
また上司が部下の話を聞く際には、部下の人が話しやすい雰囲気づくりをしっかりと行っていくことも効果的です。
1on1ミーティングのチェックリストを作ってその通りに質問をしていくようなやり方では、全く意味はありません。
また雑談に終始してしまうことは良くないことですが、雑談をしないように心がけてはいけません。
むしろ上司と部下との関係性ができあがっていない状況で、1on1ミーティングを開始する場合には、最初は雑談が中心になっても問題はありません。
もちろんこの1on1ミーティングの目的が業務上の悩みや気持ちを共有するための場を持つことが重要ですが、それができれば雑談をすることに問題ありません。
まとめ
1on1ミーティングの時間の設定はチームや部下と上司の関係性などによって、異なるため明確な正解はありません。
基本的にはそれぞれのチームの状況などによって、時間は変えるようにしましょう。
また30分〜60分程度の時間の範囲内で決める事が良いですが、もしもっと関係性を深めたいと思った場合には、単純に時間を増やすのではなく2週間に1回の1on1ミーティングの回数の頻度を高くするなどの工夫のほうが効果的です。