1on1ミーティングはYahoo!で導入され、非常に注目されてきました。
しかしこの1on1ミーティングはいくつかの注意点を疎かにすると、部下のモチベーションを上げるどころか、むしろやる気をそいでしまう結果になるのです。
ここでは良くない1on1ミーティングの例を挙げながら、どうしたら1on1ミーティングの質を高められるのか見ていきましょう。
ダメな1on1ミーティングの例:部下の話を聞かない
多くの場合、マネージャーは仕事である程度の成果を出してきた人間ではないでしょうか。非常に有能であるといえるでしょう。しかし、部下はまだ有能になろうと努力している段階です。そこに差を感じて物足りなさを覚えるマネージャーも多いのではないでしょうか。
そうした意識から、部下の成長を待てずに横やりを入れてしまったり、過去の経験からの上からのアドバイスをする場として、1on1ミーティングの時間を使ってしまうマネージャーがよく見られます。これは逆効果です。
このような1on1ミーティングを続けていくと、部下は「1on1ミーティングとは自分に価値のあるものなのだろうか?」「1on1ミーティングにいくと何かしらダメ出しをされてしまうのではないか」といった具合に、委縮してしまうことになります。
1on1ミーティングの中心は部下です。部下の話をまず聞くことが先決でしょう。
ダメな1on1ミーティングの例:説明から逃げようとする
これは1on1ミーティングに限らないことではありますが、上司と部下との間でコミュニケーションが成り立っていないことがよくあります。「仕事は盗むものだ」などと言って、仕事の内容を正確に伝えきれない人は非常に多くいるでしょう。
しかし、その結果として部下の成長やモチベーションを阻害していたり、チームの成果が上がらないのであればそれはまずいものです。
自分の経験やスキルを人にうまく伝えられないのは、自分の説明の仕方が悪いのです。
説明をしっかり行い、自分の考えややり方を伝えることは非常に難しいのは間違いありませんが、そういったことを期待されているからこそ、マネージャーとして抜擢されているともいえます。
ダメな1on1ミーティングの例:予定をキャンセルしてしまう
仕事とは流動的なもので、突然の会議や案件によって、1on1ミーティングを予定していた時間にとれないこともあるでしょう。
この場合はできる限り、リスケジュールする形をとってください。
キャンセルという形をとると、部下にしても「この1on1ミーティングというのは重要ではないんだな」と考えてしまうようになります。こう考えてしまうと、どんなに素晴らしい1on1ミーティングを展開しようと思ってもうまくいかないでしょう。
ただし、すべてのスケジュールよりも1on1ミーティングを優先しなければならないというわけでもありません。
大事なことは1on1ミーティングを大切にする、部下の成長やコミットメントを大切する、そういう姿勢を部下に見せることなのです。
ダメな1on1ミーティングの例:議題や内容をすべてマネージャーが考えてしまう
1on1ミーティングは基本的に部下のものです。この時間の主題は部下のことであり、主人公は部下になります。
その時間の議題や内容をすべてマネージャーが決めてしまうのはどうでしょうか。部下としては無駄に時間をとられることのような、他人事のものとなってしまいがちです。
これでは誰のための1on1ミーティングなのかわかりません。こうしたことを防ぐために、議題や内容をできる限り部下に考えてもらうようにしましょう。
最初のうちは、お互いにコツをつかむために、半分ずつ議題を持ち寄るのもいいかもしれません。
大事なことは「1on1ミーティングというのは自分のためになるぞ」と部下に思ってもらうことです。
良い1on1ミーティングは押し付けになっていない
4つの悪い1on1ミーティングを見てきましたが、この4つに共通することは、1on1ミーティング自体が仕事になってしまっているということです。つまりそれは押し付けといってもいいでしょう。
押し付けられた1on1ミーティングには価値はありません。
むしろ部下のほうから1on1ミーティングをしたい、あるいは1on1ミーティングをすることで、自分はよりうまくやっていけるんだというイメージを持ってもらうことが、良い1on1ミーティングといえるでしょう。
1on1ミーティングの質を高めるために何よりも大事なことは「信頼関係」と「コミュニケーション」
1on1ミーティングにおいて最も重要なことは、部下とマネージャーとの間に信頼関係と相互コミュニケーションが成り立っていることです。そして1on1ミーティングの主役は部下なのです。
部下がこのミーティングに価値を感じてくれなければ、どのような準備をしても無駄ということでしょう。
そのベースとなるのは日々の信頼関係です。もし、1on1ミーティングがうまく感じていないと感じるマネージャーの皆さんは、日々の振る舞いについて少し意識をする必要があるかもしれません。