1on1ミーティング実践!有効なフィードバックのための注意点

ミーティング コーチング・フィードバック

どんな上司に出会うか……、社会人ひとりひとりの成長度を左右するといっても過言ではありません。

近年、注目を集めているコーチング型の1on1ミーティングの要素のひとつとなるフィードバックについてまとめました。単なる目標設定や進捗管理に終わらせない効果的なフィードバックを返すためのポイントを紹介します。


1.フィードバックの目的は理解度の伝達

フィードバックは、上司が部下をどのように理解しているかの伝達手段でもあります。

この伝達では、部下の状況、能力、心境と上司としての目線を一致させておくことが大切です。

この一致がないと、せっかくの面談も空回りしやすくなります。それぞれの業務に追われる中、日々のコミュニケーションもうまく取れず、ストレスが業務の停滞に拍車をかけることになるでしょう。


2.部下を理解するために意識すべき3つのポイント

上司として効果的なフィードバックをするために意識したい3つに分けて紹介します。

一つ目は、面談での主役が部下であるということ、次に、質問でサポートするということ、最後に部下のポジティブな意欲を促進することに触れていきます。


3.フィードバックの目的は理解度の伝達

①主役は部下!

一つ目は、1on1ミーティングにおける主役は部下だということです。

この意識が欠けると部下を理解するための面談となる確率は低くなってしまうでしょう。上司として陥りがちな状況をいくつか挙げてみます。

1.業務の結果や進捗の確認

2.業務の進捗度に憤りを示す

3.停滞している進捗に対する主観的な指摘

4.うまくいかなかったことに対する対策をアドバイスする

5.具体策に行きつかないままの激励

面談で話すべきことが確認や指示、指摘やアドバイスではないとなると、部下との向き合い方に戸惑うという方も多いのではないでしょうか。このような内容では、主役が部下ではなく、上司や業務になってしまいます

問題は部下の発言機会が減る、部下が自分の状況を伝えるために自分を振り返る機会が得られないということです。部下が自分の状況をどう捉え、その先、どう取り組むかを考えることを難しくするだけでなく、考えるモチベーションすら失ってしまう可能性も出てくるでしょう。

部下はその面談後、そのトップダウン的な指摘、注意、指示に沿った受け身の業務に追われてしまうでしょう。このように繰り返される面談では、部下はマイナス感情を抱きやすく、肝心の成長のための機会とは言えないのです。主役が部下であることを意識し、部下側から面談の内容を引き出していくことが大切です。

②質問でサポート

二つ目は、質問で部下の思考を深める手助けをすることです。

1on1ミーティングでの上司の役割は、部下の現状をお互いに同じ目線で把握し共有するためのサポートをすることです。

どういうことかというと、どんな状況や結果にも理由や問題点があり、その解決や達成のための課題や対策が必要です。しかし、いつのときも部下がその要となる原因や問題点に気付けているとは限りません。ネックになっている原因や問題が見えずに悩みや仕事の停滞を招いている部下は多いものです。

上司としても、数字や進捗度などの結果だけで見抜けるものではありません。会話の中の部下の言葉を掘り下げる質問を投げかけ、考える要所を提示し内容を膨らませる手助けをします。部下が思う存分、何でも話せる雰囲気づくりや言葉選びへの配慮も必要になるでしょう。

部下の考えや部下本人すら気付けていない答えを一緒に見出していくことで、その後のコミュニケーションの頻度を上げることもできます。必要なタイミングでのフィードバックも可能になり、気軽な形でのコーチングの役割を果たせるのです。

③プラス意欲の促進

三つ目は、ネガティブな部分だけに目を向けさせないということです。

面談の場面では、さらに良くするためという視点から、どうしても問題点や不足に意識が向きがちではないでしょうか。確かに改善し、変化し、成長を遂げるには必要なことですが、業務の中でできている部分、うまくいっている部分もしっかりと上司として目を向け、本人にも気付かせることが大切です。

部下の承認欲求を満たしモチベーションを上げる効果がありますし、ポジティブな思考や行動のエネルギーを引き出します。上司から部下への承認から得られるものは、それだけではありません。部下が自分の進捗や結果に対して、総合的に否定的な捉え方をしていたとしても、細分化する視点を与え、良い部分を認識させることで、問題や改善点を効果的に浮き彫りにできるようになるでしょう。部下自身も、できていることと問題点を区別する視点は、その後の自身で問題を発見していく力を養うことにも繋がるでしょう。

上司のフィードバックを部下自身がどう受け止めるかが部下の成長のカギになります。投げかける質問に対して、どんな言葉を返す部下なのかを知ることも理解を深めるための材料になるでしょう。