リアルタイムフィードバックの意味とその運用方法

ミーティング コーチング・フィードバック

マネージャーや上司のフィードバックや細かいフォローアップが、部下の仕事への貢献度やチームの生産性に大きな影響を与えることがわかっています。しかし、フィードバックは、ある程度期間を経て行われるものであるため、迅速な状況改善に至らないことも往々にしてあるでしょう。そういった状況やビジネスの変化の更なる加速により、リアルタイムでフィードバックするという考え方が浸透しつつあります。


1.リアルタイムフィードバックのメリット

リアルタイムで細かくフィードバックを行っていくことはどのようなメリットがあるのでしょうか。注目すべきポイントは主に5つです。

①継続的な学習

リアルタイムでのフィードバックには学習と改善が必ず生まれます。また、マネージャーや上司による細かいフィードバックは、仕事に対する柔軟性を培うことにも貢献するでしょう。間違ったやり方や何故そのやり方を採用するのかといった業務内容に対するズレを素早く埋めていくことが可能になります。

②期限によるバイアスをなくせる

期限を定めた大きなフィードバックは、時に部下にとって重要な転機を失わせることになります。リアルタイムでのフィードバックでは、部下の成長のタイミングやイベントなどに瞬時に対応できるため、数か月後には詳細を忘れてしまったといったことがありません。年間を通じた細かいフィードバックは、部下の評価や仕事に対するモチベーションもコントロールできるでしょう。

③ 個人の役割や貢献度を明確にできる

リアルタイムフィードバックにより、チームにおける個人の役割や貢献の仕方、或いは価値観そのものもその都度確認していくことができます。そのため、効率的な仕事が生まれチーム全体の生産性の向上に繋がっていくでしょう。

④ 変更に柔軟になる

最近では世界的にも変化が非常に激しくなっているため、会社全体の方針が大きく転換してしまうことも多く見られるようになってきています。こうした、個人の力ではどうにもならない変更に対しても、リアルタイムフィードバックは柔軟に対応できます。チーム全体の目標と個人の目標が密接にかかわっていればいるほど、こうした細かいフィードバックは、誤解や不安を打消し、部下のパフォーマンス向上に繋がることは間違いありません。

⑤ 大きなフィードバックを設けなくてもよくなる

期末などの節目のフィードバックは非常に重要なものです。しかし、このフィードバック自体が大きな負担となってしまうことも多いのではないでしょうか。上司やマネージャーにとって、部下のパフォーマンスやチーム全体の生産性の向上は常に意識にあるほど重要なものであることは間違いありません。しかし、そうした部下やチームの状況やイベントをすべて把握しておくことは不可能です。リアルタイムフィードバックなら、こうした状況やイベントに対しても柔軟に対応できます。節目の大きなフィードバックは、むしろ今までの細かいフィードバックの総括的な内容となるため、大きな負担となることがなく、スムーズに次の業務へ移ることができるでしょう。


2.リアルタイムフィードバックの導入に際して

リアルタイムフィードバックは、部下の成長やチームパフォーマンスの向上に大きな利益をもたらします。ここでは、リアルタイムフィードバックを有効に導入するための考え方について、上司と部下の視点で紹介しましょう。

①上司として

上司としては、フィードバックすることに積極的であることが重要になります。現在の企業では多くの場合、上司は自分の仕事も抱えていることがあります。そのため、フィードバックということ自体が大きな負担となっているでしょう。そのため、リアルタイムフィードバックを導入するにあたり、リアルタイムでのフィードバックを行うことが上司にとってもメリットがあることや、目的の摺合せやコーチングスキルの向上などを目的とした講習や指導などを併せて行うことで、より上質なフィードバックが可能になるでしょう。

②部下として

リアルタイムフィードバックでは、細かい指導が入ってきます。そのため、より積極的に業務を行うことが可能になってきます。また、チームとしての自分の役割が明白になってくるため、非常に仕事がしやすい状況が出来上がるでしょう。そうした中で、どの部分を努力し価値を生み出していくのか、マネージャーや上司からのフィードバックをより建設的なものとして、パフォーマンスを高めていくことが重要になってきます。


3.リアルタイムフィードバックの生産性

リアルタイムフィードバックは、個々人の動きを管理したり監視したりする仕組みとは一線を画しています。重要なことはフィードバックであって、部下を管理することではありません。部下のパフォーマンスを最大化していくことでチームの生産性を向上させるという視点です。モチベーションを維持し、いかに高い質のコミットメントを持続させるか。最先端企業はチームマネジメントして積極的にモチベーション管理について学んでいます。ぜひ、明日から活用してみてください。