人事評価の作成は重要だと感じていても、どのように導入したらよいのかわからない企業も多いのではないでしょうか。
中小企業が大企業の導入例をまねてもうまく行かないことが多く、また、業種の違いによっても評価基準が異なるので参考にならない場合があります。
今回は、エンジニアの人事評価について、当社が導入し運用にいたるまでの経緯やメリット・デメリットなど実例でお伝えします。
当社の人事評価ができるまで
当社はSESを主体としてスタートしています。スタートから数年たったころ、当社の代表がミーティングで所属のエンジニアから「人事評価をつくって欲しい」言われたそうです。企業の代表として当然よぎるのがお金のこと。「またお金の話?」とぽつりとつぶやいたところ、「お金じゃなくて評価の話です!」と強い語気で返されたとのこと。
人事評価の目的は報酬の決定と人材育成です。
しかし、当社の代表自身もSES企業出身から起業したとはいえ、人事に関する経験が少なく「どう作れば良いか?」「どのような尺度で作れば良いか?」とても悩みながら人事評価の作成に着手したそうです。
MBOのような実績でカウントする営業職については、比較的スムースに対応できたそうですが、エンジニアサイドの人事評価はとても難しく、ここから数年頭を抱えたそうです。
コンサルを入れるかの検討
当初はExcel一枚から人事評価を始めました。しかし、その人事評価は報酬の決定と人材育成という本来の目的を果たす機能を果たしていませんでした。
どうにか改善するため人事コンサルを依頼しようと思いましたが、著名なエージェント企業での相場は数百万円という価格。中小企業では、捻出しづらいコストなのではないでしょうか。当時の当社も、事業成長にも対応してかなければならない上に、そのようなコストをいれて対応するのは難しいと判断していた様子です。
しかしながらも、何とかしようとつてをつたい、中小企業診断士・社労士をもつコンサルタントに知り合うことができたそうです。その方は比較的良心的な価格で対応してくださり、人事評価制度をコンサルタントを入れて作成することになりました。
業界理解をしながらコンサルテーション進める ~ 他業界との人事評価思想の差異 ~
コンサルタントにより、等級や号数の考え方、フォーマット・評価手法について、人事評価の基礎となる多くを学ぶことができよかった面もある一方、どうしても認識が合わず、意見の対立にすら近い状況もあったようです。
その原因を整理すると、
・人事コンサルの方は、商社や製造業に強いコンサル
・上記業種で根強い評価思想が、年功序列や在籍期間による知識向上がなされるというもの
・生産性は年齢と役職によって必ずといっていいくらい比例する考える人事思想
でした。
当社に限った話ではないと思いますが、いわゆる総合職や一般職などとエンジニアの人事評価は、リンクしない部分が多くあります。また、SESは組織構造が異なると言う面もあります。
次回は、エンジニアの評価は、他の人事評価とどのように異なるのかを詳細にお伝えしていきます。
システム会社のエンジニア評価ってどうやって作るの?エンジニアの人事評価ができあがるまでの実例②