人事評価は公正であるべきですが、職種によって評価の方法が難しくなる場合もあります。
技術職は評価が難しく、特にエンジニアに向けた評価制度を用意していない企業は多いようです。
ここでは、エンジニアの評価を行うポイントについて紹介していきます。
エンジニアの人事評価のポイント
定量評価の実施
エンジニアの評価が難しいのは、評価者や人事が個人の技術力をきちんと評価できず、また営業職と異なり成果を数値で表しにくいというところにあるようです。ですので、定性的な評価制度を設けてしまいがちですが、定性評価だと評価者に左右されてしまい、評価される側にとっては納得いくものにならない場合があります。
項目評価の細分化
評価する項目を可能な限り細分化しましょう。
技術スキルに対する評価
エンジニアが持つスキルを適正に評価する方法として、具体的な「スキルを所有していることを示す基準」を設定しましょう。プログラミングスキル、資格、使用可能言語、コーディング知識など、評価基準ごとに細かい評価項目を定めます。
エンジニアといっても、システム開発とスマホアプリ開発、WEBアプリ開発では必要とされるスキルや言語が異なり、また、プログラマー・システムエンジニア・プロジェクトマネージャーと職種によって求められる能力が異なります。プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力、設計能力などそれぞれに必要な評価を設定することが大切です。
組織への貢献度に対する評価
エンジニアの仕事は、自分ひとりで完結できるものではなく、プロジェクトチームの一員として業務に取り組むことが多くあります。自身の技術や業務のノウハウをチームメンバーに積極的に共有することは、組織の技術力の向上への貢献ということにもなるでしょう。
自己評価の実施
自身の業績や成果、自身の良かった点や悪かったなどを振り返ることで今後の仕事への取り組み方の工夫へ繋がります。
また、自己の評価と上司などの評価者との評価に相違がある場合は、どうしてなのかを話し合うことにより自身に求められていることの確認や今後の目標の持ち方などのずれを修正することができます。
現場の意見を取り入れる
非エンジニアがエンジニアの評価制度を作成することは難しく、エンジニアが納得するような評価制度にならず多くの企業で失敗をしています。
エンジニア同士の評価が一番正確であり、適切であると考え評価制度を作成する必要があります。エンジニアの意見やその上司の意見を取り入れながら評価制度を作成する必要があります。
客先常駐のエンジニア評価
社内で業務を行うエンジニア以外に、お客様の社内で常駐して業務を行うエンジニアの場合、より注意を払いながら評価を行うことが重要です。
何か月かに一度合うかどうかの上司に評価をされても、納得が行かないほうが自然です。客先常駐をしているエンジニアに対しては、放置せず特にコミュニケーションを活発に取ることを意識しなければなりません。
1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングを行うことで、コミュニケーションを取ることができます。
週に1回から月に1回など定期的に行うことで、上司と部下の信頼関係の構築に繋がっていきます。
対面での実施が困難であれば、Webビデオツールなどを活用するとよいでしょう。
上司は多忙なことが多いですが、顔を合わせない部下こそ気にかける必要があります。
まとめ
エンジニアの評価制度の構築は、職種・職域によって評価項目を設定しなければならず、複雑になりがちなため着手しない企業が多くあります。しかし、納得のいかない評価制度のままだと不満を募らせ離職にいたってしまうケースもあります。そうならないために、社内のエンジニアの声を聞き自社にあった評価項目を設定し、納得がいく人事評価を行う必要があります。