効果的に行う人事評価後のフィードバック

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人事評価後のフィードバック

適切なフィードバックは、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上につなげることができ、生産性の向上など組織にとってメリットも大きいことから、近年注力する企業が増えています。
一般的にフィードバックの効果は、「目標達成」「人材育成」「モチベーションアップ」「生産性の向上」と言われていますが、適切に行わないと効果が期待できなくなってしまいます。
ここでは、効果的なフィードバックを行うための注意点を記載します。

効果的にフィードバックを行う方法

タイミング

効果的なフィードバックにするためには、タイミングが重要です。人事評価の後は、評価が決定次第早く行うほうが、次のアクションを起こしやすくなるでしょう。

フィードバックのポイント

伝えることを明確にする

事前に情報を収集し、伝えることを明確にしておきましょう。

「目標達成できなかったね。次は頑張ってね」というだけでは、「何を見ているのだろう」とかえって不信感をいただいてしまいます。

評価されている点、改善したらよいと思う点を明確にして伝えます。

フィードバックされる側は、客観的にどのように見られているかということから気づきを得て、仕事への取り組みへの変化のきっかけになります。

目標や課題に対し、お互いに認識の違いがある場合は、しっかりと意見の交換を行い、すり合わせることが必要です。

目標を設定する

問題点や改善点の共有ができたら、目標を決めましょう。
高い目標を設定することで、モチベーションはあがるように感じますが、あまりにも高すぎる目標は実現不可能となり、かえって意欲が削がれてしまう場合もあります。

長期的な高い目標、それに向けて短期での実現可能な目標で、達成感を持ちながらステップアップができる内容にするとよいでしょう。

次の行動を明確にする

目標の共有ができたら、次にどのような行動をとるかを明確にしましょう。
目標を決めても、経験の浅い新人は次に何をしたらよいかがわからないことがあります。また、経験が多くても、次のアクションが思ったような行動に繋がらない場合もあります。
一方的に「これをしなさい」というのではなく、面談時にどのようにしたら改善されるか、フィードバックされる側の意見を聞き、わからないようならアドバイスをしながら次の行動を決めるのがよいでしょう。

フォローアップを行う

フィードバックは、1度行ったら終わりというものではありません。
改善点や目標に向けてが行動につながっているかを確認し、順調でないようであれば、フォローしたり軌道修正を行ったりします。
PDCAを意識しながら、継続的に行うようにします。

フィードバックを行う環境

フィードバックの場面では、できるフィードバックを受ける側がリラックスした状態で行うようにしましょう。ネガティブな内容を伝えなくてはならないこともあるので、1対1で周囲の目が気にならない環境を準備しましょう。

フィードバックにしてはいけないNG

他の社員と比較する

他の誰かと比較して指摘すると、かえってモチベーションを下げてしまいます。
「○○さんは、これだけできるよ」と言われても、自身の改善には何も繋がりません。
フィードバックで大切なのは、気づきを得てより良い結果につながるプロセスを自身が考えることにあります。
他の社員と比較するのではなく、過去からの成長と比較しよい点改善点を伝えるようにしましょう。

主観で伝える

客観的なデータや情報を踏まえて、自分の意見を伝えるのならば、フィードバックを受ける側は、切り離して考えることもできますが、個人的な意見ばかり述べられるのは、上司の主観を聞くだけでフィードバックになりません。客観的な事実を伝えるように心がけましょう。

人格やスキルを非難する

フィードバックの目的は、行動の改善によって結果につなげることです。人格やスキルなどを指摘する場ではありません。「このスキルが足りないから目標が達成できない」というような否定をされてしまったら、業務改善に繋がるどころかモチベーションは下がる一方です。信頼関係を損なうことにもなるでしょう。
フィードバックされる側にプラスにならないことはしない気持ちで臨むと、このような発言はなくなるでしょう。

効果的ではないと感じたら

効果的ではないと感じたら、そのままにはせずに改善を加えましょう。

頻度をあげる

フィードバックは、1回で効果が見れることはありません。継続して行っていくことが大切です。
フィードバックの頻度が高いと、方向性の修正が行いやすくなり、コミュニケーションも取りやすくなるといった利点もあります。しかし、頻繁すぎると業務自体を圧迫してしまうこと、また、受け取り側は信頼されていないと感じる場合もあります。
フィードバック後に計画や行動を改善できているかを見守りながら、継続的にフィードバックを行うことが理想です。

関係性を構築する

フィードバックの効果は、信頼関係が構築されているかの有無で大きく変化します。
信頼関係を構築できている上司と部下では、アドバイスも素直に受け入れられますが、逆の場合もあります。
また、性格により効果的な伝え方が変わってくるでしょう。
日頃から部下の様子を見守り、課題をサポートしながらよい関係を築くことが大切です。

まとめ

フィードバックは、行い方や伝え方次第でフィードバックを受ける側のモチベーションを左右させてしまうことは、必ず念頭に置かなければなりません。準備や注意することが多くあり、面倒に感じてしまうこともあるかもしれませんが、適切なフィードバックは、組織の活性化にメリットが大きくあります。

フィードバックを受ける側が、気づきから仕事に対する向き合い方を見つめなおし、モチベーションを上げながら業務に取り組むことができれば、多くのメリットがある効果的なフィードバックができている証拠です。

今回は、個人にとって、企業にとって成長に繋がるフィードバックを行えるようポイントをお伝えしました。ぜひ、効果的なフィードバックにお役立てください。