もしかしたらゆるブラック企業かも?ゆるブラック企業とは?

HRテック

「ゆるブラック企業」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?その語感だけ聞くと「ブラックでないのではよいのでは?」と思ってしまいますが、「成長を感じられない企業」「スキルを得られず年だけを取ってしまう企業」という、人材の成長を止めてしまう企業のことを指します。
人材が成長しないことには、企業の成長は困難なので、経営者にとっては大変な問題なのではないでしょうか。
ここでは、「ゆるブラック企業」についてご説明していきます。

ゆるブラック企業とは

ゆるブラック企業の特徴として、

  • ・残業が少ない
  • ・有給の取得率が高い
  • ・職場の人間関係が良好
  • ・離職率が低い

といった点があげられます。これだけを見ると働きやすいとてもよい企業のように見えますが、これに加えて、

  • ・スキルが身につかない
  • ・給料はほどほどだが昇給が少ない

ということがあげられます。
以上のことから、「ゆるブラック企業」は、「働きやすくはあるけれど、キャリアアップに繋がらず、結果働きがない企業」というようなイメージで取られています。

企業の取り組みはブラック企業と言われないためだけ?

企業は近年様々な取り組みを行ってきました。
働き方改革の推進の後押しもあり、長時間労働を避け残業時間を削減するように努めたり、パワハラ防止法の施行によりパワハラ研修を行ったりと、”よい企業”になろうとどの企業も試行錯誤しているのではないでしょうか。
しかし、その”よい企業”というのは、単純に「ブラックといわれない」というだけで、箱をつくっただけでおわっているかもしれません。もしかしたら、”よい企業をつくるため”の手段であるはずの取り組みが目的になってはいませんか?

ゆるブラック企業は成長意欲を削ぐ?

ライフワークバランスを求める分にはよいのではないかと思いますが、求職者は働くことに求めるものに対して「働きがい」をあげることが多く、決して「楽な仕事」を求めているだけではありません。「仕事を通じて成長をする」ことも求めているのです。
多くの情報を収集している若い世代はゆるブラック企業を避けて就職活動を行い始めています。

では、現在働いている従業員はどうでしょうか。前述にゆるブラック企業では離職率が低いことをあげましたが、一方で、
「誰でもできる仕事をずっとやり続けても、年を取ってしまうだけ」
「この会社にいても将来はないのではないか」
「スキルもキャリアアップもできない企業では不満」
という理由から離職をする従業員もいます。
成長意欲がある従業員から辞めていってしまうということに繋がっていくのです。

ゆるブラックでも大丈夫?

多様性が求められている現代では、現状のまま「ゆるブラックでも構わない」という企業があって当然かもしれません。また、そのような企業を求める求職者もいます。労働人口が減少している現在で離職率が低く、また、そのままでも利益があがり企業の存続ができるのであればよい企業であるともいえます。しかし、そのような企業は一部なのではないでしょうか。
そうではない多くの企業では今までと同じことをしていては企業の存続は困難になってきています。
新しいことに取り組み、変革をし続けなければ生き残りや成長は難しくなってくるでしょう。そのために人材が必要不可欠であり、その必要不可欠である人材が不足しているので懸命になっているのではないでしょうか。

企業が求めるものと求職者が求めるもの

求職者側がゆるブラック企業を避けた場合、「やりがいがあり、自己が成長できる仕事」を選びます。企業側も「成長意欲がある人材」を望んだ場合は、成長を促す環境を構築していなくてはなりません。
ゆるブラックでよしとしない企業であれば、企業は安心で働きやすい職場をつくることを前提に、それに対してもきちんと取り組まなければなりません。

まとめ

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、社会は大きな不安に包まれました。昨日今日明日と同じことが当たり前に続かないのではないかという将来への不安を解消するために「可能な限りスキルアップしたい」ということに繋がっているかもしれません。
めまぐるしく変化する社会に対応するためまずは現状を把握し、自社の人材に関する制度や環境を見直してみてはいかがでしょうか。