昭和世代とZ世代のギャップを埋める-1on1ミーティングでZ世代は何を求めているのか-

コーチング・フィードバック

1on1ミーティングは、従業員エンゲージメントやパフォーマンスの向上にもつながり、成長を促すことに効果的だということから、取り入れている企業も多くあります。しかし、相互が苦手意識を持ったまま行うと、逆効果になってしまうこともあります。
世代が異なるという理由から苦手意識を持ってしまい、コミュニケーションがうまくとれないということもあるのではないでしょうか。

Z世代が1on1ミーティングに求めていること

1.明確なフィードバックと評価

具体的で即時性のあるフィードバック
Z世代は仕事に対する評価をすぐに知りたがる傾向があります。具体的な事例を使って、どこが良かったのか、どの部分を改善すべきなのかを明確に伝えることで、成長に繋がります。

建設的なアドバイス
問題を指摘するだけでなく、次に何をすべきか、どうすれば改善できるかを示すことで、自己成長への意欲を高めることができます。

2. キャリア成長とスキルアップのアドバイス

キャリアパスについて
Z世代は自身の将来やキャリアについて真剣に考える傾向があります。1on1では、キャリアの可能性や成長のためのアドバイス、スキルアップの機会などについて話すことを求めています。

トレーニングや研修・学習の機会
Z世代は自分のスキルアップや成長に対して非常に高い意識を持ち、仕事を通じて自己実現を目指す傾向があります。新しいスキルを習得したり資格が取得できるように機会を探したり、興味のあるプロジェクトの話や機会についての話し会うことができると、モチベーションの向上にも繋がります。

3. フレンドリーでオープンで双方向なコミュニケーション

カジュアルな意見交換
一方的な指示よりも、双方向の対話を重視します。自分の意見やアイデアを積極的に共有できる環境を求めているため、意見を聞く姿勢を示すことが大切です。

フィードバック
自分自身の仕事に対するフィードバックを求めています。
SNSの発達から、率直に自分の意見を伝え、それに対するレスポンスも早いということを求める傾向にあります。

4. 自己肯定感や達成感の強化

努力や成果を評価されること
自分の貢献や努力を認められることを求めています。達成したことや進歩について認め、フィードバックを通して自己肯定感を高めることで、モチベーションを維持できます。

小さな成果の評価
日々の努力や進捗に対しての小さなフィードバックも、Z世代にとっては重要と考えています。

5. ワークライフバランスへの理解

柔軟な働き方について
ワークライフバランスを大切にし、効率的に働くことを重視するため、1on1で働き方やプライベートの時間についての相談をしたいと考えています。柔軟な働き方についての要望を受け入れたり、話し合ったりすることで、働きやすい環境を提供できます。

6. 意義のある仕事と会社のビジョン

仕事の意味や価値
自分の仕事が組織や社会にどのように貢献しているのかを知ることを求めます。1on1では、彼らの役割が会社全体の目標やミッションにどう関連しているかを伝えることで、仕事へのモチベーションを高めることができます。

仕事や目的の背景の説明
豊富な情報から、必要な情報を選ぶのが得意な世代とされています。情報収集し、背景も見極めたうえで物事の決断をする傾向も強くあります。そのため、仕事においても、背景を知った上で進めたいと考えています。

世代ごとの価値観や働き方、コミュニケーションの違いを尊重する

世代ごとに異なる価値観や働き方を相互に尊重しあい、うまく融合することで生産性や職場環境の向上へ繋がっていくことでしょう。

Z世代の強み:テクノロジーやデジタルツールに精通しているため、効率的な業務プロセスの構築や最新のトレンドを取り入れることが得意です。また、柔軟な発想力や多様な視点を持っています。
昭和世代の強み:豊富な経験や知識を持ち、忍耐力や責任感が強いです。困難な状況に対して冷静に対処できる力や、長期的な視野で物事を考える力もあります。
相互に強みを活かす:昭和世代が持つ経験や知識をZ世代が学び、Z世代のデジタルスキルや新しいアイデアを昭和世代が取り入れることで、互いに成長することができるでしょう。

コミュニケーションの工夫をすることも必要です。昭和世代は、上下関係を重視し、年齢や経験に基づき経緯を払うことが当たり前とされていましたが、Z世代ではインターネットを通じて多様な年代、国籍、個性の人と交流をし、フラットな関係を求めてきました。その中で、自分の意見も伝えるといったことに慣れています。そのようなことを理解しながら、コミュニケーションの機会を増やしていくとよいでしょう。

さいごに

ここでは、「Z世代」と書いていますが、Z世代は「Z世代」とひと括りにされることを嫌います。社会的背景から、ダイバーシティ(多様性)を重視する価値観や思想があるので、ジェンダーやアイデンティティに関して既成の概念にとらわれていません。それぞれの「個」として人を見ているので、自身に対してのカテゴライズをされることを嫌っています。

固定観念や先入観を持たず、お互いの価値観を否定しないことで信頼関係が築かれていきます。企業では、お互いを尊重しながら企業の成長に向かうことが理想です。世代間の違いを受け入れ、なにが求められているか知ることで、コミュニケーションの機会を増やし、苦手意識を解消していきましょう。