人事面談や1on1ミーティングで聞くべき質問集

コーチング・フィードバック

人事評価で部下と面談する際に心がける必要があることとは何でしょうか。通常、人事面談にのぞむ部下は自分がどのような評価を受けるのかということについて大変気を揉みます。それというのもまだまだ日本の多くの企業では人事評価について誤解されている面が多くあるからです。
人事評価というと○×をつけて、その点数をもとに処遇や給与を決めるものだと思われています。そのため減点されるのを避けたいため、人事面談の際に上司からの問いかけに対してありきたりな話に終始してしまう傾向があります。また人事面談を行う上司自身が面談の意味をよく理解していない場合も見受けられます。
もちろん処遇や給与を決定するために人事評価を行うというのは全く間違った理解とまでは言えませんが、しかしせっかく時間や労力をかけて行う人事評価を十分に活かしきれているとは言えません。

人事面談を行う理由

人事評価を行うのは従業員の持つ特性や資質を洗い出し、必要な教育を施し、最大限のパフォーマンスを引き出すためにあります。従業員教育を通じてそれぞれの業務に習熟した集団となれば企業全体の質が高まります。
従業員が個人で、自発的に能力開発にのぞめば喜ばしいことですが全ての人間がそうとは限りません。また個人での能力開発には限界もあります。特に人事面談が重視されるのは、一人では気づかない改善点を客観的に指摘することで気づきを促すことができる点にあります。
そのため上司は部下と人事面談を行う際に、部下の特性や資質を見極め適切な問いかけと助言を行わなければなりません。
上司として人事面談時に聞くべきポイントを押さえておくことが、部下の育成において重要であることが理解いただけたでしょうか。

人事面談で使える質問集

目標面接における質問例

・現状の課題は何か
・課題を解決するための方法はどのようなものがあるか
・今期の目標は?
・なぜその目標を選定したのか?
・目標達成のために必要なことは何か?
・現在の能力で目標を達成するのはどの程度の困難さがあるか
・部署内での担当する仕事についてどのように感じているか?

フィードバック面接における質問例

・今期の目標に対してどのような成果を出したか?
・目標に対してどのようなアプローチをしたのか?
・成果が出た、あるいは出なかった場合なぜそうなったのか?
・今期最も上手くいった仕事は何か
・今期最も上手くいかなかった仕事は何か
・今期の目標は妥当なものであったか
・目標達成に向けて会社からの支援は充分であったか?
・所属する部課署においてどのような貢献をしたのか
・今の時点で自分が持っている能力のうち最大の物は何だと考えているか?
・今後身に付けたいと考えている能力はどのようなものか?
・来期挑戦したいと考えていることはあるか

能力開発面接における質問例

・今期の仕事で一番頑張ったことは?
・今期の仕事で一番上手くいかなかったことは?
・改善すべきポイントはどこか
・現時点での自己の強みはどこにあるか
・なぜそう考えるのか?
・強みを伸ばすにあたって会社からどのような支援を得たいと考えているか?
・改善すべき点への対処は?
・強みと弱みどちらの克服を優先するべきか
・能力開発にあたって独自で工夫していることは何か?

キャリア開発面接

・今後どのようなキャリアを形成することを考えているか
・そのキャリアの形成のために必要なことは何か
・現在の仕事へのモチベーションは?
・他の仕事への興味はないか?
・今担っている以上の責任を負う準備について
・社内で最終的に目指すポジションについてのイメージは?
・部署内で担う役割や人間関係について
・現職務で適性や能力が活かされていると感じているか
・仕事にやりがいを感じているか
・仕事の難易度や量は適切か
・仕事に刺激を感じるか?作業の繰り返しになっていないか?

人事面談で質問するときに気をつける点

人事面談で質問をする際に気をつける点にはどんなものがあるでしょうか。まず質問は単純な「イエス」「ノー」に終始するようなものは避けるべきです。なぜなら人事面談の意図は、今後の従業員教育の方向性を決めるものであり、従業員本人に自身の仕事・キャリアを考えさせることで企業が考える能力開発に主体的に関わることを促すためでもあるからです。上司に言われたからそうする、ということではなく自分自身が明確な意図と目標を持つことが効果的な教育の第一歩です。

人事面談は全ての始まり

さて人事面談で聞くべき質問についてここまで述べましたが、実は人事面談時に上司がやるべきことで質問と同程度に重要なことがあります。それは従業員からの質問を聞くこと、です。人事面談は従業員にとって通常なかなか聞けないことをじっくりと聞くことのできる時間でもあります。会社の将来、自身のキャリア、課せられたタスクについて。あるいは同僚への愚痴。これらすべての質問に答えるのは時間的に難しく、また質問の性質によってはすぐに回答できないものもあるでしょう。それでもしっかりと聞き取りをすることで従業員が出すさまざまなサインを逃さないようにしましょう

人事面談での質問はできるだけシンプルにそして従業員自身に考えさせるものであること。そして従業員からの質問に誠実に向き合うこと。この二点を実行することが人事面談を成功に導く方法です。