リアルタイムフィードバックの方法と注意点

フィードバック コーチング・フィードバック

ミレニアル世代がビジネスシーンで活躍する現代で、彼らの生活背景に合わせたリアルタイムフィードバックの必要性が高まっています。
ビジネスのスピードが益々早まる中で日本でもその認識が浸透しつつあるようです。
今回はリアルタイムフィードバックが求められる背景とその方法と注意点についてまとめました。

■時代が求めるリアルタイムフィードバック

マネジメントに欠かすことのできないフィードバック

フィードバックはマネージャーにとって、時間が掛かり骨の折れる業務の一つという認識があります。部下のパフォーマンスをよく見て適切な評価をし、成長につながるようなフィードバックをしなければならないという意識はマネージャー職の誰もが持っているでしょう。
しかしその思いに反して、上司からもらうフィードバックに意義を見出し、満足しているという従業員は驚くほどに少ないという調査結果もあるようです。

この理由には、フィードバックの仕組みがフィードバックを受け取る世代の感覚にそぐわなくなっていることが挙げられます。
従業員の多くが社会に出て働き始めるかなり前からパソコンやスマートフォンなどの先進機器に触れ、それを活用するコミュニケーション文化の中で生きてきています。
多くの従業員たちはもっと頻度の高いフィードバックを求めているのです。

このことからも、従来の一年に一回、半年に一回のスパンの定期的なフィードバックがすでに機能しなくなってきています。
組織やマネージャー層も、さらに従業員もフィードバックの重要性は強く認識されているわけですから、従来のフィードバックシステムを組み換え時代に即した仕組みとして、リアルタイムフィードバックが注目されています。

■リアルタイムフィードバックの方法

リアルタイムフィードバックはどのような方法で行っていくのかをご説明します。

目標と期待値の共有

リアルタイムフィードバックを進めるための基盤を整えます。リアルタイムフィードバックに関わるメンバーの役割、責任、要望の共有から始まります。
マネージャーも例外ではありません。お互いに納得し、自分について相手について同じ認識を持つようにするのです。

頻度の高いフィードバック

リアルタイムフィードバックの手段は様々なものが考えられます。毎日のチャットシステムや直接の対話、電話やアプリケーションの使用、毎週の1on1ミーティングなどが挙げられます。フィードバックマネジメントを円滑にするアプリケーションも数多く登場しています。

どんなフィードバックを行う際にも基準となるのは始めに設定したお互いの目標と期待値です。
パフォーマンスの評価も進捗状況、新しい目標の設定についても初期値目標をガイドラインとします。

相互に評価

フィードバックをすることで、相互に評価することにつながっていなければなりません。

マネージャーがフィードバックする際には、もっとメンバーが業務を進めやすくするためにできることはないかと投げかけます。マネージャーにとっても建設的なフィードバックを求める機会となると同時に、その文化をチーム全体に構築していくことにつながります。
身近で働くメンバー同士(上司も部下もなく)こそが最も効果的で効率的な助けを提供し合えるということです。

成果に対する承認

良い仕事に対する即座の承認が得られることは、ポジティブな行動や態度を生み出します。有効な承認が有形か無形かという点は人によって異なります。声やテキストでの承認ならわずかな時間で提供できます。
目標に到達したりそれ以上の成果を上げた場には、早い段階で何らかの手段での承認が必要です。

■リアルタイムフィードバックの注意点

従来のフィードバックスタイルが機能しないことは誰もが気付いているところで、リアルタイムフィードバックが注目されているわけですが、注意すべき点もあります。

言葉の影響力は大きい

スピードだけを重視するあまり、言葉の影響力を忘れることがあります。

リアルタイムフィードバックの手法として、テキストベースのやり取りが増えてきていますが、その言葉の解釈が千差万別という意識は欠かすことができません。
状況と言葉によってはフィードバックを受け取った後に無駄なストレスを抱えてしまうことにもなりかねないからです。
その解釈の違いはメンバー個人を理解する有力な材料にもなります。

ベストな手法は「直接」、コミュニケーション上のすべての要素を情報とした相互のやり取りだということは確かなのです。

頻度がノイズになる境界線

頻度が重要視されるリアルタイムフィードバックですが、その頻度が行き過ぎるとせっかくのフィードバックがノイズ化してしまいます。
年に1、2回のフィードバックでは足りないと感じている従業員たちでも、毎日フィードバックが欲しいと感じているわけではないことを知っておく必要があるでしょう。

■まとめ

従来のフィードバックの在り方に変革が必要なことは明らかのようです。時代に順応するための変化を起こすには、フィードバックを与える側(上司と部下)と受ける側(上司と部下)の意識改革も必要です。
定着には時間が掛かるものかもしれません。お伝えしたリアルタイムフィードバックの方法や注意点を参考にしながら、理想的なフィードバック文化を作り上げてください。