チームのパフォーマンスを上げるためにマネージャーが出来ること11選

OKR・パフォーマンス

チームのパフォーマンスを上げる。これは、まさにマネージャーがおっている仕事の中でも最も重要で、かつ最も求められる仕事ではないでしょうか。そんなマネージャーがすぐにでも出来る施策について簡単にまとめてみました。


1.チームで仕事をするということ

チームで仕事をするということは、どのようなことが発生するのでしょうか。簡単に言ってしまえば、マネージャーという言葉のとおり、チームマネジメントが必要になってきます。このチームマネジメント必要な要素はいくつかあるのですが、今回は特に「目標を定める」「コミュニケーションを取る」「トラブルに対応する」の3つに注目してみましょう。


2.「目標を定める」上で、マネージャーが出来る4つのこと

チームで仕事をする場合、このチームの方向性や明確な方針、目標というものを決め、そしてそれを共有していく必要があります。ここでは、いますぐにでも出来る目標設定についての基本を押さえていきましょう。

①全体目標と個人目標を定める

チームの目標というのは全体の目標と個人の目標は異なっています。これは、個人個人がチーム内での役割が異なっていることがあるためです。例えば、営業チームを作る時に、チーム全体の目標は年間売上1億円だとしましょう。この時、売上1億円を作るための作業は多種多様になります。この多種多様な作業に対して、チームメンバーそれぞれが適切にコミットメントしていく必要があるのです。こうして違う作業が発生する結果として、チームメンバーそれぞれに合わせた個人の目標が必要になってくるでしょう。

②目標は具体的に

目標を決めるときには必ずわかりやすく具体的である必要があります。時々、目標が抽象的になってしまったり、数字に落とし込んでいない意気込みのようなものを目標ととらえてしまう人たちがいます。これは、目標を軽視している姿勢と何ら変わりません。目標とは具体的にチームが達成すべきハードルであり、このハードルは明確であればあるほどチーム内における意識がはっきりしてきます。これには、チームのモチベーション管理と同じ効果があるのです。ぜひ、数字を活用した。目標を設定していきましょう。

③目標を決めるときはチーム全体で

目標を決めるとき、必ずチーム全体で決めましょう。もし仮に、マネージャーと一部のチームメンバーで目標を決めてしまうと、この目標を決めるための話し合いに呼ばれなかったメンバーのモチベーションは大きく下がってしまうでしょう。チームのパフォーマンスを高めるためには、個人のパフォーマンスが高くなければなりません。それは、一人一人がチームの一員であるという意識を強く持つ必要があるのです。マネージャーとしては、少しでもチームメンバーのモチベーションを落とさない工夫や配慮をしてく必要があります。

④目標達成の先にあるものを共有する

目標を達成するとどうなるのかというイメージをチーム内で共有していきましょう。人はなぜこの行動をしているのかなぜこの作業をしているのかという問いに対し、明確に応えられる場合ほどよりモチベーションが高くなります。当然、仕事の目標なので売上であったり顧客満足度であったりするでしょう。しかし、この目標を達成した時に、チームがどうなっているのかそしてチームメンバーそれぞれがどういう意識になっているのかといった、目標に現れない姿勢のようなものをイメージできるとそのチームは非常に強固なものになっていくのです。


3.「コミュニケーションを取る」上で、マネージャーが出来る5つのこと

チームマネジメントにおいて、コミュニケーションは切っても切り離せない問題です。特に、現代のマネジメントにおいて個々人のパフォーマンスを高めるためのモチベーション管理は、時代の最先端を行くMicrosoftやGoogleでも採用されています。ここでは、チームの個々人とモチベーションの関係性を表すコミュニケーションについて注目してみましょう。

①個人を知る

まず、チームメンバーそれぞれを知っていくことが大事です。ここでいう「知る」とは「仕事のおいてどのような能力を持っているか」ということではなく、もっと内面的な部分になります。例えば、感情的になりやすいのかそうでないのか、トラブルに強いのか弱いのか、コツコツと少しずつ進めるのが得意なのかといった、「どのようなコミュニケーションスタイルで、その人が仕事に向かっているのか」ということを指しています。このチームメンバーを知るという前提のもとで、優れたチームのコミュニケーションは出来上がっているのです。

②相互支援

現代では仕事を取り巻く環境は日々変化しており、その変化のスピードは速すぎて1人では対応できないほどです。そのため、上司と部下や年上と年下といった属性に捉われることなく、仕事に使えそうな考え方や情報は積極的に伝え合っていこうとするのが、この相互支援と呼ばれる考え方になります。また、何か躓いても、誰かがなんとかしてくれるはずだという、チームメンバーそれぞれの信頼関係が出来上がっていると、思いもよらない解決策が出て来たり、画期的なアイディアが生まれたりする土壌が出来上がるのです。こうした信頼関係を生み出していくのがマネージャーが目指すコミュニケーションです。

③モニタリング

信頼関係を生み出していくコミュニケーションが発生するためには、まずマネージャーに余裕がなければなりません。仕事場にいるとき、マネージャーが下を向いて作業をずっとしている。これでは、チームメンバーが困っていることやトラブルが発生する予兆などを感じ取ることは不可能でしょう。そして、もしこうしたトラブルに対しては、対応できるかできないかよりも、対応までの速度によって、信頼関係は大きく変動していきます。

④感情をコントロールする

感情をコントロールするとは、感情を表に出さないというわけではありません。日本の組織では多くの場合、感情を抑えることが良い事であると思われがちですが、これは間違いです。また、マネージャーにとって感情を表に出すというのは、メンバーのミスによる自分のイライラを相手にぶつけてしまったり、自分の言いたいことややりたいことをチームメンバーに受け取ってもらうといった相手の能力に期待したコミュニケーションを取ることではありません。感情をコントロールするというのは、自分で自分の感情を整理するということです。自分が今どういう状況で、何を求めているのか。そういったことを出来る限り客観視して、チームメンバーにぶつけることなく、配慮と尊敬を前提としたコミュニケーションを取る必要があります。それが、メンバーとの信頼関係を構築していく最も重要なマネージャーの振る舞いとなるのです。

⑤心理的安全性

パフォーマンスをいかに高めていくかという議論をする際に非常に興味深い分析があります。チームのパフォーマンスにまつわる様々な要素を研究したところ「他社や同僚への心遣いや配慮」といった、一見仕事とはあまり関係のない様なメンタル的な要素に注目が集まったのです。チームメンバーとしてだけでなく、人間として尊敬できる、或いは人間としてどの様に扱われているのかといった部分が、パフォーマンスに大きく影響することがわかってきました。これを「心理的安全性(psychological safety)」といいます。全てのチームメンバーが人として同様に尊重されている。これは、発言権や扱いが同等であるということと同じです。そういった非常に基礎的な部分というものが、個々人のモチベーションなどにも大いに影響を与えています。


4.「トラブルに対応する」上で、マネージャーにできる2つのこと

仕事にはトラブルがつきものです。正確に言うと、計画段階で全くトラブルが発生しないことを前提にスケジュールを組み立てるのは不可能ですし、そして同時に非常に危険でもあります。また、トラブルに対応できるかどうか、そしてその対応の適格性や即時性が、そのままマネージャーに対するチームの評価を決めてしまう部分もあるのです。それでは、パフォーマンスを高めるためにマネージャーはトラブルに対し、どのように考えておけばいいのでしょうか。

①スケジュール

このスケジュールとは、トラブルが起きる前と起きた後の両方になります。起きる前でしたら、トラブルというものを受け取れるバッファがあるスケジュールを引けているかどうかが問題になります。トラブルが起きた後のスケジュールというのは、そのトラブルをどの様に評価するのかということと同義になるでしょう。また、トラブルが発生した後のスケジュールの引き直しが、そのままプロジェクトの成否や品質の高低に繋がることもあり得ます。ただ、トラブルは、それに対応するスケジュールが引けてしまえば、ほとんど解決したのも同様でしょう。

②コミュニケーション

先述してきたコミュニケーションの質が高いか低いかで、トラブルに対応するための工数がそもそも変わってきます。また、信頼に基づくコミュニケーションが出来上がっている状況では、トラブルをどの様に受け取るかも変わってくるでしょう。ホウレンソウと呼ばれる報告や連絡といった部分の質も、マネージャーによる心理的安全性や感情をうまくコントロールできているかといった部分が最終的にはキーになってきます。


5.まとめ

「目標」「コミュニケーション」「トラブル」これらは、すべて仕事をしていく上で逃げられないものであると同時に、いますぐにでも改善していくことができる部分でもあります。そして、最近のパフォーマンス研究では、こうした基本的な部分が、メンバーのコミットメントに大きく影響することがわかってきました。今回のまとめを読んで、ぜひ明日から気を付けてみてください。2~3か月後ぐらいから、徐々にチームのパフォーマンスが改善されていくことは間違いありません。