1on1ミーティング やり方マニュアル ー必要な準備と進め方、効果の測り方ー

OKR・パフォーマンス

アメリカで発達した人事制度の手法として、今日本でも注目されている「1on1ミーティング(1on1面談)」。日本ではヤフーやクックパッド等で導入されており、その効果が注目されています。1on1ミーティングを行うことで、マネジャーと部下、企業に対してそれぞれに次のようなメリットがあると言われています。


0.1on1ミーティングを実施するメリットとは

部下にとっての1on1ミーティングのメリット

ーマネジャーからフィードバックをもらうことで、直面している課題について客観視でき、自主性をもって課題に取り組む力を養える。

ー今後ステップアップしていくために必要となるスキルの特定と、現状のスキルの評価の場にできる。

ー上司に対して自分の今後のキャリア開発について共有する機会となる。

マネジャーにとっての1on1ミーティングのメリット

ーチームの運営管理や、育成するための時間を確保でき、チームが成果をだせることに取り組める。

ー部下との関係を深めるきっかけになる。

ー部下への現状の聞き取りや、懸念事項の洗い出しになる。

企業にとっての1on1ミーティングのメリット

ー企業の目標やビジョンを浸透させることができる。

ー一般社員の中に広がっている噂から、企業側のチャンスや脅威について情報を得ることができる。

それでは、効果的な1on1ミーティングを実施するために、どういった手順で行っていけばいいのか、ご説明していきます。


1.1on1ミーティングを実施する前に、やっておくべきこと

1on1ミーティングを会社として取り組む際に、まずはマネジャー、部下それぞれに対して、次のようなステップを行います。

マネジャーに対して

①1on1ミーティングを実施する意図、その効果を理解させる

②各マネジャーのマネジメントスキルレベルを確認する

③スキルレベルに応じて、サポート体制を作る。経験の少ないマネジャーについては、経験のあるマネジャーとペアにし、メンターとする

部下に対して

①1on1ミーティングを行う目的を明確に伝える

②1on1ミーティングを、ただの業務の一環としてではなく、部下自身にとっても価値があることだということを認識させる

③1on1ミーティングを行うことは、部下のためであることを理解させ、部下の期待することが実現できない場合は発言権があるということを認識させる

導入の際は、以上のことをまずはしっかりと行ってください。次に、具体的な1on1ミーティングを行う際の進め方についてご説明します。


2.1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングを進めるとき、マネジャーは以下のポイントを意識しましょう。

①開催頻度と時間配分

一般的には週に1回、30分~60分程度です。特に、部門長と中間マネジャーとの1on1ミーティングは、60分ほどかかるといわれています。一般的な時間配分として、90パーセントは部下に話をさせ、マネジャーが話すのは10%程度です。

②議題の決め方

実施の際は形式を決めず、部下に自由に話をさせましょう。部下から質問をさせることができたら、1on1ミーティングの結果につながります。1on1ミーティングの議題は、事前に内容をメールなどで共有することもあります。そうすることで、部下の1on1ミーティングの予習となり、新たなスキル開発にもなります。

③メモをとる

1on1ミーティングの間は、フォローができるように部下の言っていることをメモに取りましょう。

自分が部下の質問について与えたフィードバックもメモに残してください。後にそれが実行されたかどうかを確認する際の備忘録となります。

起きがちな失敗事例

さらに、1on1ミーティングの最中に起きがちな失敗事例をお伝えします。事例のようにならないように気を付けて実施しましょう。

・部下をサポートするためのアイディアがない

ー部下の意見にフィードバックをしてあげないと、何のための1on1ミーティングか意味がなくなります。

・常にオフィス内で行う

ー社内の人に聞かれたくないような内容もあるため、カフェや歩きながらなど、たまには場所を変えましょう。

・ころころ日程変更をする

ー1on1ミーティングが重要であることを部下に認識してもらうためにも、一貫して行うよう意識してください。

・複数名で実施する

ーどちらにも中途半端な結果となります。

・オンライン上で行う

ーリモートで業務を行っている場合は仕方ありませんが、できる限り顔を合わせて行ってください。状況的にどうしても難しいということであれば最終手段としてテレビ電話やチャットを使用してください。

・部下のキャリアアップについて話さない

ー前向きな部下は、いつまでも同じ役割でいたいと思っていません。継続的に彼らのキャリアについて話してください。部下の能力次第で、新しい部門へと異動をさせることも考えましょう。

・業務の進捗の確認に時間を費やす

ー業務の進捗確認であれば、メールでもできます。どうしても必要であるならば、5分以内に納めましょう。

・常に楽観的である

ー1on1ミーティングはプライベートな空間で行うため、建設的なフィードバックがしやすい環境です。客観的で建設的なフィードバックを行えるように、楽観視しすぎないよう、気を付けてください。

・注意散漫になる

ーメールやメッセージは次々と入ってくるので、携帯などを持参せず、最低限のメモ帳とペンだけを持ち込みましょう。

・ボディ―ランゲージが少ない

ー理想的にはお互いに顔を合わせているので、適度なボディ―ランゲージとアイコンタクトを心がけましょう。

・話した内容を忘れてしまう

ー1on1ミーティングの後、部下が実務に戻った際に、与えたフィードバックを修正することもあるため、何を伝えたかをメモに残しておきましょう、

・マネジャー側が話しすぎる

ー1on1ミーティングでは、マネジャーが話をするのは10%程度にしましょう。

・部下の信用を失う

ー部下の弱点になるような内容は、報告書には入れないようにしましょう。まずは部下との間の信頼関係を維持するよう、心がけてください。

以上のことに注意して、効果的な1on1ミーティングを実践しましょう。


3.効果測定方法について

最後に、1on1ミーティングの効果測定方法についてお伝えします。経営側や人事側としては、1on1ミーティングが本当に機能しているのかを可視化させたいものです。ここでは、2つの方法についてお伝えします。

①eNPSスコアを測る

eNPSは、友人や知人が転職を考える際に、自社への転職をどれだけ勧めるかを聞くものです。従業員満足度調査に似ていますが、さらに踏み込んで従業員の自社へロイヤルティを測る際に使用されます。1on1ミーティングを行う前後でどのようにこの数値が変わったのかを測ることで、効果を可視化します。

②360度調査を行う

360度調査は測定される対象者の上司や部下、同僚、関連他部署が評価を行い、数値化するものです。この調査結果から、異常値がないか確認することでその効果を可視化します。

以上のような効果測定を行うことで、経営側や人事側は、1on1ミーティングが現場で適切に実践されているかを把握することができます。

4.まとめ

以上、1on1ミーティングの手順についてご紹介しました。よい組織というのは、失敗が起こった時はマネジャーが修正し、部下は責任感をもって業務を遂行し、結果を残し、組織の発展へと寄与するものです。効果的な1on1ミーティングを実践し、さらに良い組織へと発展していくように、その手順をしっかり理解し、運用しましょう。