自律型人材が組織を強くする!自律型人材の育成方法

アイデア 従業員マネジメント

大企業といえども安泰とは言えない時代です。また企業の不祥事も後を絶ちません。これまで日本企業の誇りであった高い品質やサービスに厳しい目が向けられるようになっています。そのような中にあって成長を続ける強い組織であるためには自律型人材が必要です。自律型人材とはどのような人材を指すのか、育成のために必要なことは何かをご紹介します。

自律型人材とは

自律型人材とはどういったものでしょうか。自律とは「他からの助けを得ずに、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制する」ことです。「主体的に仕事に取り組める人」「自分のキャリアプランを立て、それに従って自分自身を成長させることができる人」といったところです。より具体的に要件を上げると以下のような人材です。

・自ら課題を見つけ解決することができる
・自ら適切な目標を立てることができる
・目標達成に向け研究や分析を怠らない
・マニュアルに頼らず創意工夫ができる
・周囲を巻き込むことができる
・オリジナリティーに富みコミュニケーション能力も高い

言われたことや与えられた仕事を黙々とこなすのではなく、自ら積極的に仕事を取りに行き姿勢が求められます。また自分がどうなりたいのかキャリアプランを持っており、そこから逆算していま必要なことを分析し乗り越えていくことができる能力を持っています。

なぜ自律型人材が必要とされるのか

これまでの日本では会社の一員として従順に真面目にコツコツと働くことが重視されていました。皆が同じような価値観を持っている場合はそれでも通用していました。また企業にとってはそれが都合の良い面があったのも事実です。

しかしグローバルな競争にさらされ人々の価値観も多様な時代になりました。マニュアルに沿った仕事はできるが、自ら考え課題を見つけ解決する力がないのでは高付加価値の商品やサービスを提供することができずに競争に敗れることになります。

また企業に求められるスピードも以前と比べ物にならないほどです。「これまではこのやり方で大丈夫だった」はもう通用しません。常に改善点がないかを自問自答しなければなりません。これは企業のみならず個人の場合であっても同様です。定年まで会社が面倒を見てくれると考えるのは問題です。自律型人材として成長をしていくことが求められているのです。

自律型人材が組織を強くする

自律型人材の強みは仕事への高いモチベーションにあります。自律型人材にとって仕事とはマニュアルに沿った作業ではありません。「もっと良い方法はないか」「表に出てないだけで何か問題を抱えてはいないか」という好奇心と疑問力が仕事をただの作業から自分が行うべき使命へと昇華させているのです。

このような自律型人材が集まる組織では常に改善や提案が行われ、質を高めるための試行錯誤が行われています。これらは生産性の向上や他社との差別化に繋がります。もしも旧態依然のやり方に固執しているといずれ顧客に飽きられてしまうでしょう。組織から必要とされるように常に自分自身をブラッシュアップさせている自律型人材の働きによって会社も常に顧客から必要とされる存在でいることができるのです。

自律型人材の育成方法

さてすべての社員が入社してきた段階で自律型人材であれば問題はありません。しかし大抵の場合はそうではありません。そのため企業による教育が必要なのです。では自律型人材を育成するために必要な教育にはどのようなものがあるのでしょうか。

問題を発見する力を養う

多くの若手社員がおちいるのが「何がわからないのか分からない」状態です。豊富な経験を持つ指導役が問題に「気づく」ためのポイントを教えます。座学、講義を中心で進めます。

問題解決能力の開発

問題解決のための方法を各個人ごとに考えてもらいます。ここでも指導役が自己の経験を交えてアドバイスを行います。

キャリアプラン構築

短期的な物から長期的な物まで目標を設定させます。長期的な物は抽象的でも構いませんが、短期的な目標についてはできるだけ具体的に定めます。自分がなりたいものをイメージさせることで何が欠けているのか、いつまでに何をしないといけないかが見えてきます。

実行

実際に業務を遂行していく中で上記の能力が身に付いているかを検証します。その際に重要なのは失敗があったとしても「否定だけ」しないことです。否定を繰り返されると無難な選択をしてしまいがちになります。それでは自律型人材に必要な柔軟性や行動力、創造性が失われることになります。なぜ失敗したのかを気づかせ改善を図るように導くことが自律型人材の育成につながります。

自律型人材の育成に必要なこと

自律型人材の育成にあたって必要なものは企業理念です。仮にチャレンジして失敗した者を評価しない、ミスが少ない者が評価される風土だったらどうでしょうか。また前例にないことをやりたがらない職場環境で自律型人材が育つでしょうか。

目標設定の仕方も重要です。目標を達成することだけを評価するのであれば多くの人が達成できそうなやや簡単な目標を立てるでしょう。それに対して自律型人材はチャレンジに値する目標を設定するため、時には未達に終わることもあり得ます。ではそのような場合は評価されないのでしょうか。

自律型人材を育てるためには自ら考え動く者を評価するという職場の風土が必要です。組織としてどうあるべきなのかという理念を明確にし、自律型人材になろうとする社員を積極的に支援することが強い組織をつくる第一歩なのです。