企業の売上は事業部の売上や成果はそこに所属する社員のやる気、即ちモチベーションに大きく左右されます。しかしながらこのモチベーションを維持しつづけるのは至難の技、人間は機械でありません。常に成果を出し続けている会社や事業部はこのモチベーションコントロール、即ちモチベーションマネジメントが優れているのは共通の事実であり、ここが他の会社との大きな差別化になるのです。
どのようにすれば安定した成果を出し続けるモチaベーションマネジメントができるのか、今回はその方法をご紹介します。
ゴール設定を的確に行い、道を示し続ける
モチベーションを維持させる上で最も前提となる考え方が社員1人1人に的確にゴールを設定して上げてそれを一緒に目指せる体制を作り上げることです。なぜ今これをやる必要があるのか、これはやるとどうなるのか、これをやることで会社にどんな貢献ができるのか、どんな未来が待っているのか、社員のレベルに合わせて的確にゴールを設定してあげるのです。
これを行うことで、社員1人1人に自分のチャレンジや成長、会社への貢献、それに対する報酬等、あらゆる面で「期待感」を醸成することができ、そのゴールに向かってモチベーション高く仕事を行っていくことできる土台を形成してあげることができます。この土台を如何に丁寧に的確に一緒に目指していこう!といった強固なものにできるのか、モチベーションマネジメントを実施していく上で最も基礎となる重要な要素となります。
つまり言い換えると、ロケットの打ち上げ確度の設定とロケットが到達する場所(座標)の設定といった形でしょうか。ここが最初に狂ってしまうとロケットが上手く飛ぶことがないように、社員もここが甘いと初速でつまずき、飛んでいる最中に失速し、結果ゴールまで全然届かない、事業部の成果を伸びず会社の業績に影響する、といった結果に終わってしまうのです。
途中で何度もゴールや進め方を修正してあげる
もちろん、入り口で打ち上げ確度、座標を設定してあげることができてもそこで役目は終わりではありません。大事なのはゴールとなる出口まで如何にブレずに辿り着くことができるのか、ということです。だいたいのケースでロケットの飛行中に道が狂い修正を加えなければならなくなります。
つまり、打ち上げ確度の設定と座標の設定はいわば仮説の構築のようなものです。この社員であればこの成果を出すことができるだろう、この初速で発進できれば自分でモチベーション高く実行していくことができるだろう、といったように検証が必要な推測段階にすぎないのです。もちろん、本物のロケットは機械で全て制御しているのでさほど狂うことはなく不測の事態という形になりますが、人間が行う作業の場合にはミスも多く失敗を前提にリスク対策を行っておく必要があります。ですので、定期的に社員1人1人と進捗状況や悩み、課題とその解決手段についてじっくりと話せる環境を作り出し丁寧に修正を施してあげることが求められるのです。
場合によっては、ゴールそのものを上方修正したり、下方修正したり、辿り着く場所そのものを変更したり、飛び方そのものを具体的にヒアリングし細かな課題や大きな課題をしっかりと把握して解決まで誘導してあげることが大事です。課題や悩みに直面しモチベーションが下降気味になってしまったとしても上司が付いてくれている、ちゃんとゴールまでたどり着かせてくれるという安心感をスパイスとして加えてあげれば社員もモチベーションを取り戻しなんとかたどり着こうと再び飛行することができます。
適切な評価やフィードバックを行うことでモチベーションの維持に努める
上手くゴールまで辿り着いてもそこで終わりではありません。次回の飛行に向けて今回の飛行結果を棚卸しし、モチベーションを次の飛行に向けて維持することも大事なマネジメントになります。今回の飛行結果で良かったところ、悪かったところを社員1人1人と話し評価してあげることで報酬等に適切に反映してあげます。
ここでは決して個人的な感情で評価が反映されて公平性が失われてしまうような評価をしてはいけません。定量的な評価、定性的な評価を当初定めたゴール設定や人事評価制度と照らし合わせて論理的に評価しどの社員もどの評価に納得の持てる評価にする必要があります。もしも評価が偏ってしまい納得のいかない社員が多くなってしまうと次の飛行ではゴールしてもまた評価されないから結局意味のないことをやらされている感じ、どんなゴール設定、どんなチャレンジを打ち立てようともモチベーションには繋がらないといった結果になってしまうのです。ですので、しっかりと納得のもてるまで丁寧且つ公平な評価を心がけましょう。
また、評価後はそこで終了するだけでなく、次回の飛行に向けてどんな改善を行って次の飛行を目指すのか、適切なフィードバックも重要な要素となってきます。人は十分に頑張った、適切に評価もしてもらえたと感じてももっと大きな成果を出したいという欲求に駆られるものです。次回はもっと大きなゴールを設定する場合でも今回の結果に応じて異なるゴール設定を行う場合でも今回の飛行に基づいた適切なフィードバックを、強み、弱みの両面から伝え腹落ちするまでコミュニケーションをとってあげることで次の飛行におけるモチベーションの維持に努めましょう。