1on1ミーティングにも使える!?部下との関係性や組織を活性化するアサーティブコミュニケーション

1on1ミーティング 従業員マネジメント

アサーティブコミュニケーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか。アサーティブコミュニケーションとは、コミュニケーションの方法論の1つであり、話し相手の意見や考え方を尊重し、誠実、且つ率直に自分の意見を相手に伝えることを指します。近年1on1ミーティングという手法が様々な企業で取り入れられる中、人間誰しもが感情を伴うとなかなかストレートに人の意見に対して思いをぶつけることができないものです。感情をそのままぶつけてしまうと相手の感情を逆なでしてしまい、結果として関係が気まずくなってしまうなどの事態を招いてしまうからです。

ですが、気持ちを言葉で表現しつつ、主張をしっかりと相手に伝える、あくまでも相手の意見を尊重しハレーションを起こさずに建設的に議論を深めていくことができれば組織的にも部下との関係性的にも効果を生むことができるはずです。そこでこのアサーティブコミュニケーションというコミュニケーション手法が必要となってくるのです。今回はそのアサーティブコミュニケーションについてどのように身に付け実践してくのかお話したいと思います。


自分のコミュニケーションの仕方を認識する

このコミュニケーション方法を実践するには、まずは自分のコミュニケーションの傾向を知ることから始める必要があります。自分は何ができて、何ができないのか、自己認識を行うことで自分の傾向を知り、相手に合わせたコミュニケーションが取れるようにするのです。コミュニケーションタイプは大きく3つに分けられます。「攻撃的タイプ」「受身的タイプ」「作為的タイプ」の3つです。

攻撃的タイプ

基本的な傾向として人と何事も比較してしまうタイプ。議論ではなく、勝ち負けでコミュニケーションを行ってしまうため相手を見下して優位に立とうとしたり、自分の欲求ばかりを押し付けてしまう。自分の意見ははっきり言うものの相手に否定させないために周りは最初から議論を諦めてしまうために建設的な議論が行えない。

受身的タイプ

基本的な傾向としてあまり意見を言わずに相手に譲ることを選択してしまうタイプ。意見や感情はあっても我慢すればいいと感じてしまい結果として相手の意見を受け入れてしまう。ハレーションが起きることはないが不満を溜め込みストレスを抱えやすい。また常にネガティブで自分を卑下する傾向にあるため、自信のない態度をとりがちで周囲をいらだたせることもしばしば。

作為的タイプ

基本的な傾向としてはその場で直接言わずに根回しを行い仕返しをする政治家タイプ。正々堂々と対面で意見をいうことはなく、周囲で自分に賛同するものに告げ口を行っていくことで相手に罪の意識を植え付け自分のやり方を貫こうとする。一見へりくだって見えるために人当たりが良く見えるが、自分に不誠実で心のなかで相手を見下している傾向がある。

いかがでしたでしょうか。上記の上で自分が最も当てはまるタイプを認識することでまずは自分のコミュニケーション手法を受け止め、相手を尊重できるベースを作ることが最初の一歩目となります。


アサーティブコミュニケーションを取るための心構えを認識する

自分のタイプを認識できただけではアサーティブコミュニケーションを実践するにはまだ不十分です。タイプを認識した上でいざコミュニケーションを取る時の心構えが準備できて始めて意味をなすアサーティブコミュニケーションを実践できます。

基本的な心構えとしては、「誠実」「率直」「対等」「責任感」の4つです。

自分に対しても相手にも対しても常に誠実であり嘘偽り無くコミュニケーションできるのか

相手の要求や振る舞いに対して率直に意見を言うことができるのか

階級や性別に関係なくいつでも対等にコミュニケーションを取れるのか

自分の発言や言えなかったことも全て責任もって処理することができるのか

という視点になります。アサーティブコミュニケーションを実践する上ではこの4つの軸を念頭におき、その上で自分のコミュニケーションタイプを認識した上で相手に合わせたコミュニケーションを取ることが求められるのです。


相手にタイプや態度に合わせて言葉と振る舞いでコミュニケーションを取る

アサーティブコミュニケーションの準備が整ったら実践を繰り返すことでこのコミュニケーションスキルを高めていく必要があります。

しかし、ただ自分のタイプのみを意識してコミュニケーションをとってもあまり意味がありません。コミュニケーションは自分と相手の2者が揃って始めて成り立つものですから、常に相手のタイプを探りつつ、また態度を観察しつつどのようなコミュニケーションを取ればアサーティブのコミュニケーションが取れるのかを探りながらスキルを高めていくのです。相手は攻撃的タイプ、受身的タイプ、作為的タイプのどれに該当するか、自分のタイプと照らし合わせてどのような発言を心がければ円滑に建設的に議論が進められるのか、を常に考えて仮説検証を繰り返していくのです。そうすると自ずとタイプの見極めからとるべきコミュニケーションの型ができあがりどのような場面でも柔軟にアサーティブコミュニケーションが取れるようになります。

また、言葉と同時に相手の態度や状況に合わせて振る舞いを見せて表現することも大事です。表情や視点、話すスピードなど相手に合わせて変化させることで言葉の伝わりやすさが大きく異なってきます。アサーティブコミュニケーションに慣れてきたらこの振る舞いも取り入れてコミュニケーションを磨き上げてみてください。