知らないうちに隠れブラック企業に認定されている?

人事評価システム

中小企業にとって、人材不足の解消は重要な課題とされています。特にこれからの時代を担う若い人材はどこの企業でも取り合いになっています。
ところで、ミレニアル世代やZ世代といわれる新卒を含む世代の就職においてもインターネットで情報を収集し様々な比較をするということは知られていますが、調べ方によってブラック企業のような印象を与えてしまっている企業もあります。
いったい、どうしてそのような印象を与えてしまうのでしょうか。また、自社は大丈夫か考えたことがあるでしょうか?

ブラック企業とは

厚生労働省は、ブラック企業とみなされる企業名を公表しています。公表の対象は社会的に影響がある大企業が対象になっていますが、中小企業であっても注意を払う必要があります。
そもそもブラック企業とはどのような企業を指すのでしょうか。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。参考):「ブラック企業」ってどんな会社なの?

もちろん、このような状況に当てはまる企業であれば、早急に是正すべきですが、この3つの条件にあてはまらないから大丈夫と安心するのは早計です。
法的に定められていなくても、「こういう企業は隠れブラック企業だ」という情報はたくさん出回っています。

隠れブラック企業とは

例えば、「精神論」が飛び交う企業は、隠れブラック企業と受け止められやすくなります。
・体調不良で欠勤←精神力が足りない
・目標が達成できない←精神力が足りない
など、多くのことを「精神論」で片づけてしまう企業は避けられますが、このような企業風土は入社してからでないとわからないといわれていました。
しかし、情報量が増えた昨今ではこのような企業の多くは様々な制度が整っていないといわれ、入社前でも確認できる制度から隠れブラック企業だと判断されてしまう一因になってしまいます。
例えば、教育研修の制度や人事制度などは、わかりやすい制度なので制度が整備されているかいないのかは確認されるでしょう。
就職活動者に自社のよさを伝える前に、制度の不足からふるいで落とされているという可能性もあるのです。

中小企業の人事評価制度

厚生労働省によると、人事評価制度の導入率は社員数100人以下の企業で39.4%、社員数100人以上の企業では73.7%であると報告されています。
参考):厚生労働省「最新(参考1)調査結果の概要(企業・事業所・個人結合ver)」
中小企業の人事評価制度導入率は大企業に比べて圧倒的に少ないですが、ここ数年で取り入れる企業は増えてきています。
正当で公正な人事評価は従業員の成長を促し、企業の成長につながるということが様々なデータからわかり、従業員エンゲージメントの向上にも寄与し離職率の低下にもつながるともいわれているからです。人材不足に悩む中業企業だからこそ導入せざるを得ないということかもしれません。

まとめ

就職活動をする人たちもインターネット上の情報がすべて正しいわけではないと認識し、正しいものとそうではないものを取捨選択しながら情報収集をしています。しかし、まだ社会に出ていない若年層は、「どうして他の企業にはあるのに、この企業にはないのか?」という点で企業を選考の対象から外してしまうこともあるかもしれません。
情報に踊らされる必要はありませんが、就職活動をしている人は様々な情報を得ています。いろいろな角度から見られているということは意識し、自社の制度を一度見直したほうがよいかもしれません。