1on1フィードバック時に使えるフレーズ集

キーポイント コーチング・フィードバック

フィードバックを行って「思う方向に向かわない」「無駄だった」「失敗した」と感じた経験のあるマネージャーは多いのではないでしょうか。
ここでは1on1でのフィードバックに使えるフレーズをご紹介します。
部下の成長も部下との信頼関係も豊かに構築していくフィードバックのためにお役立てください。

■成長促進するフィードバックに必要なもの

1on1ミーティングの目的は部下の成長を促すことです。
部下の成長を促すためのフィードバックとはどのようなものかを確認してみましょう。

【1】観察に基づく

観察したことのままを伝えます。ここで含めてならないのは、「上司個人の感情や主観」「一般的な常識」「周囲の意見」「良し悪しの解釈」です。
これらは人に対する指摘、攻撃、否定、批判と受け止められることが多いからです。

【2】具体的に

フィードバックする事柄についてできるかぎり具体性を持たせます。
曖昧さは混乱や誤解を招いたり、インパクトが薄くなったりと結果的に意味のない伝達になります。

【3】率直である

フィードバックがネガティブでもポジティブでも率直に伝えます。
ぼかしたり、やわらげたりすると回りくどくなり指摘も称賛も伝わりません。

【4】相手に考えさせる

1on1を行っていることが自分のためであることを認識させると同時に、積極的な参加意識を持たせる必要があります。
1on1の内容や決定事項、判断などは部下に委ね、当事者意識を持たせることも大切です。
解決策や改善策のアドバイスを伝えるまえに、まずは自分で考える時間を与えます。

【5】フォローアップ

部下がきちんと理解できているかどうかの確認はお互い同じ目線に立つために必要なことです。
1on1ごとの最終段階からのフォローアップを行い確実な将来ステップに促します。

■使えない&使えるフレーズ5選

上記の【1】~【5】のポイントについて、失敗につながりやすい事例を基に具体的に使えるフレーズを紹介していきます。
いずれもその後の部下のポジティブな反応や行動を見据えたものにする必要があります。

【1】観察に基づく

失敗例→また締め切りを過ぎたね。どうしていつもそうなの?

改善例→締め切りは5日でした。その後の仕事をするメンバーが納期に間に合わせるために残業を強いられてしまったようです。スピードアップに必要なものは思いつく?

失敗例→またチームミーティングを欠席したよね。興味がないんだね?

改善例→火曜と金曜のチームミーティングに出てないようだけど、重要ポイントはシェアされてるかな?

【2】具体的に

<失敗例>→進捗も滞りなくいい仕事だったよ!この調子で進むことを期待しているよ。

<改善例>→先週の目標の30%を大幅に上回ったじゃないか。おかげでチームの進捗目標を今週は10%前倒しできたんだよ。どうやったの?

<失敗例>→先週の成果から何を改善していく?

<改善例>→先週の目標数値はクリアできたね!一番注力したことは何?意外に時間が掛かったことはない?

【3】率直である

<失敗例>→いつも書類の仕上がりが早くて助かってるよ。ただ、○○の書類にミスがあって、クライアントとの交渉が難航しているんだ。今後は注意深く確認を行ってほしい。

<改善例>→いつも書類の仕上がりが早くて助かってるよ。この前のXXの件の資料があったおかげで契約も成立できたんだ。突発的にお願いしてるけど、上手く他の仕事との調整ができているよね。
難しい点やこうなるといいなという気付きがあったら教えてくれる?

<改善例>→この前の○○の書類の数字にミスがあったんだ。どのデータから抽出したのか確認できるかな?作成フローの中で間違いやすいと思う点ややりにくい点はなかったかな?

【4】相手に考えさせる

<失敗例>→今日は○○について話そう。
<改善例>→今、一番気になっていることは何?

<失敗例>→目標を下回ったね。改善が必要のようだね。
<改善例>→目標は80%だけれど、上手くいった点と障害となった点はどこだと思う?

<失敗例>→そのような場面では、いったん社に持ち帰ったほうがよかったね。
<改善例>→この状況では、どうすることがベターな対策だったと思う?

<失敗例>→次回のミーティングは、3月7日の13:00~です。
<改善例>→次回のミーティングはいつが都合がいいかな?

【5】フォローアップ

<失敗例>→今日話したことを来週、実践してみてください。
<改善例>→今日の話でいま、どんなことを感じてる?
<改善例>→今日の重要ポイントは○○さんにとってどこ?
<改善例>→1on1のやり方や取り上げる内容で希望やアイデアがあれば聞かせてほしいんだけど。

■まとめ

1on1ミーティングでの上司と部下のやり取りは、パートナーが変わるごとに異なってくるでしょう。フィードバックについても、1on1ミーティングを行いながらコミュニケーションを密にしながら深めていく信頼関係の中で見出していくものです。
お互いに敬意と尊重の意識を忘れず、お互いに成長できるフィードバックのやり取りを目指しましょう。