社員が育つ強い組織の凄いコミュニケーション術

コミュニケーション 企業カルチャー

強い組織とは?

強い組織を作ることは成長し、生き残っていくために必要不可欠な目標です。多くのリーダーが頭を悩ませている部分であり、逆に言えば強い組織を作ることができれば安定した事業運営を行うことができるとも言えます。

では強い組織に必要なものとは何でしょうか?

重要なのはコミュニケーションです。コミュニケーション不全に陥っている職場では「社員が育たない」「ミスが多発する」「スピードに欠ける」などの問題が発生します。コミュニケーションが良好であれば社員同士の相互理解が高まり、組織への帰属意識も高まります。
その結果仕事へのモチベーションも上がり、定着率の向上や従業員個々人の成長につながります。

では、どのように職場でのコミュニケーションをとればよいのか。社員が育つ、強い組織を作るためのコミュニケーション方法を取り入れる必要があります。

情報共有の必要性

組織にとって情報を共有することは重要な課題です。当たり前の話ですが、組織というのは多くの人で成り立っています。各個人に仕事は割り振られますが、報連相がないばかりに、上司が仕事の進捗を把握できてないケースがあります。

この場合はなぜ情報共有をする必要があるのかということや、適切な報連相の仕方について社員に教育をしなければなりません。

間違ったコミュニケーションは組織を潰す

コミュニケーションをとる際に注意をしなければならないことがあります。それは決して上からの一方的なものにならないようにすることです。

マネジメントの大家であるドラッカーは組織内のコミュニケーションについて以下のように語っています。

「成果をあげるには、アクションプランを理解してもらい、情報ニーズを理解してもらわなければならない。特にアクションプランについては、上司、部下、同僚に示し、意見を聞いておかなければならない。同時に、自分がいかなる情報を必要としているかという情報ニーズについても理解してもらわなければならない。」(引用:『ドラッカー名著集1 経営者の条件』、P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社、2006年、p.10)

この意味するところは、トップダウンという上からのコミュニケーションのみならず社員の意見を汲み上げるボトムアップを積極的に聞きいれる用意があることをリーダー自身がオープンにしておく必要がある、ということです。

たとえばダメな組織では悪い情報が全くといっていいほど上がってこない仕組みになっています。これではリーダーは適切な判断を下せません。
また提案が受け入れられない、適切な報告ができないとなると社員のモチベーションやモラルも上がらないため作業の質量の低下や、社員の離職を招くことになります。

モチベーションは上げる必要ない!?

強い組織を作るためには社員のモチベーションも重要です。モチベーションは一般的には「やる気」と解釈されることが多いです。しかしモチベーションの本質は「動機、意欲」です。
つまり仕事をするのは「仕事をする方向にモチベーションが動いた」のであって、「仕事をしない方向にモチベーションが動く」ことも起こりうるのです。

よく「モチベーションが湧かない」と言いますが、実際はやらない方が自分にとっては得だと判断して「やらない方向にモチベーションが動いた」のです。

社員を育て強い組織を作るためには、いかに「やる方向にモチベーションを動かす」ように誘導できるかが鍵となります。「やる方が自分にとって得である」ということを理解させるのです。

たとえば人との付き合いで断り切れず行かなければならないコンサートほど退屈で苦痛なものはありません。一方で、自分の好きなアーティストのコンサートは楽しく時間も短く感じます。
義務感から行動することと自主的に行動することにはこれだけの差があります。

もちろん仕事や組織においても同様です。社員のモチベーションをやる方向に動かすには、いかに組織に参加させて当事者意識を持たせるかが重要です。強い組織で働く人の従業員満足度はやはり高い傾向にあります。

従業員満足度の本質とは?

では従業員満足度を高めるために必要なこととは何でしょうか?そのためには従業員満足度の本質を考えなければなりません。

たとえばある社員が会社に対して給料の面では満足をしていたとします。しかし上司との相性には少し不満を抱えていたとします。この場合、不満(人間関係)を我慢できるほどの満足(金銭面)を得られていれば、表面上は職場に満足していることになります。従業員満足度に関するアンケートをとればおおむね満足しているとの回答がなされるでしょう。しかしこうした社員は潜在的な問題を抱える「時限爆弾」ともいえます。

マズローの欲求五段階説では人は「生理的欲求(生きるための基本的・本能的な欲求)」→「安全欲求(安全・危険回避の欲求)」→「社会的欲求(帰属意識、仲間が欲しい)」→「承認欲求(他者から認められたい、敬意を受けたい)」→「自己実現欲求(自分の能力を追い求める)」と欲求の段階が進むにしたがってより高次元な存在になるとされています。

前述の社員で言えば、現状は生理的欲求あるいは安全欲求が満たされている段階にすぎません。もしも上司に不満があるのであれば、その問題点や改善策を提案できる状況を作ることが本当の従業員満足度を高めるための方策です。
組織の問題を自分の問題と考える、あるいは自分の問題を組織の問題だと認識する。
このような当事者意識を持つことが、やりがいや責任感に対するモチベーションを産みより高い欲求へと社員を導きます。

風通しの良い職場環境

コミュニケーション不全は社員の「頑張らない」モチベーションにつながり、従業員満足度を低下させます。
その結果、業績は低迷し優秀な人材の流出を招くことになります。

社員同士が情報を共有し、上司と部下が円滑にコミュニケーションをとれている職場は内部統制が効いています。
たとえば新卒1年目の社員が職場の問題点や改善点を指摘することができ、それが必要なもので、かつきちんと改善ができる状況ならその職場は上手くコミュニケーションが取れていると言えるでしょう。

強い組織を作るために必要なこと

社員が育つ強い組織を作るためには

・社員教育、報連相などの円滑なコミュニケーション活用
・開かれた職場環境により仕事へのモチベーションを高める
・従業員満足度を高め組織に対する当事者意識を持たせる

このサイクルを続けていく必要があります。組織の利益は自分の利益だと感じれば、社員は自ら考え動くようになります。
価値観と情報の共有が強い組織への最短のルートなのです。