絶対評価と相対評価、どう使い分ける?

HRテック

人事評価制度を考えるうえで、必ずと言っていいほど出てくる「絶対評価」と「相対評価」。

しかし、実際に導入・運用する際には、

・どちらを使うべき?
・絶対評価だけでうまくいく?
・相対評価は古いやり方?

…といった悩みを抱えてしまうのではないでしょうか。

この記事では、それぞれの特徴とメリット・デメリットを踏まえ、どのように使い分ければよいかを整理してお伝えします。

そもそも、絶対評価と相対評価の違いとは?

●絶対評価とは
あらかじめ定められた基準に対して、「その基準をどれだけ満たしているか」で評価する方法です。
たとえば「期初に設定した目標を80%達成したので”評価B”」というように、他者との比較をせずに評価を行います。

●相対評価とは
部署やチーム内など、他者との比較によって順位付けを行う評価方法です。
全体の中で上位何%が”S評価”、次が”A…”といったように、評価の分布をコントロールすることができます。

絶対評価と相対評価のそれぞれのメリット・デメリット

評価方法 メリット デメリット
絶対評価 ・公平感が高い
・個人の成長を促しやすい
・評価が甘くなりがち
・分布が偏ると昇給などに影響
相対評価 ・昇給原資の分配がしやすい
・一定の緊張感を保てる
・個人の頑張りが正当に評価されない可能性もあり
・チーム間の競争を生みやすい

使い分けのポイントは?

結論から言えば、「目的」や「状況」に応じた使い分けが大切です。

絶対評価が向いているケース
・一人ひとりのスキルや成長度を正しく把握したいとき
・社員の納得感を重視したいとき
・若手や中途採用社員が多く、評価の透明性が重要なとき

相対評価が向いているケース
・報酬や昇格に差をつけたいとき
・限られた昇給原資を公平に配分したいとき
・組織としての緊張感や競争意識を保ちたいとき

ハイブリッド型もおすすめ

例)
・部署内で一律に絶対評価を実施
・最終的な給与や昇格の調整時に相対的なバランスも確認
というように、「評価」と「処遇」を切り分けて考えることで、社員の納得感と経営上の合理性を両立することができます。

さいごに

制度に「正解」はありません。

評価制度において重要なのは、「どちらが正しいか」ではなく、自社の文化や成長段階に合った方法を選ぶことです。

社員のやる気を引き出し、組織全体の成長につながる評価制度とは何か――。
その問いに向き合い続けることが、制度運用における最大のポイントです。

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