チームの生産性を上げる様々な手法は、コンサルティングファーム・ビジネススクール・マネジメントスクールが提唱しています。
ストレングスマネジメントとは、そうした手法の1つであり、メンバーの強みを引き出すことにより生産性を上げようという考え方に立っています。
「そんなの当たり前じゃないか」と思ったあなた、ご自身の職場をイメージしてください。強みがすぐに思いつきますか?欠点ばかりが浮かんでくる、そんなことはありませんか?
なぜメンバーの強みを引き出さなければならないのか
現代社会では、マーケットもチャネルも、変化が急速に早まり、かつ多様化しています。そんな中で、今まで通り上司の号令一下で一律に進める、そんなスタイルでは早晩立ち行かなくなります。今こそ、一人ひとりのやる気と強みを発揮し、変化と多様性を先取りできる、そんなチーム作りが求められているのです。
欠点をあげつらえば人は委縮する
職場のメンバーは弱みと同じくらい強みも兼ね備えていますが、日本人厳しい管理責任が問われるマネージャーの立場では、どうしてもネガティブな欠点に目が行きます。そして治そうとします。その結果、やる気と強みの芽は摘まれます。
チームの生産性を上げるストレングスマネジメント
ストレングスマネジメントのスキルを身に付ければ、沈滞したチームにポジティブなエネルギーをもたらすことができます。ストレングスマネジメントのトレーニングでは、主に以下のステップを踏んで基本的なスキルを学びます。
ストレングス・ファインダー
ストレングス・ファインダーの手法を学ぶと同時に、実際にやってみてトレーナーのフィードバックを受けます。
メンバーの強みは実にさまざまです。
・創意工夫によって改善をもたらすことに熱意を感じるメンバー
・特定業務のプロセスやルールに精通し、守り抜くことに生きがいを感じるメンバー
・ひたすら得意先を回り、営業成績を上げることに一途なメンバー
ストレングスファインダーは、アメリカのギャラップ社が開発したトレーニングツールです。
ストレスファインダーでは、「コミュニケーションスキル」「課題発見・解決スキル」「ネゴシエーションスキル」「価値想像力」「実行力」といった個人の特をを34の資質に分類し、177の質問を通じて、そのメンバーの優れた資質5つを見出します。
ストレスファインダーは、「人間は弱みよりも強みにフォーカスすることで、最大限のパフォーマンスを発揮することができる」との考え方に立っています。
個々の強みをチームの強みにつなげる
メンバーの強み理解したうえで、その強みを具体的にどのように活かすか、そもそもやる気をどうやって引き出すかを習得します。
その上で、チームビルディングを学びます。チームビルディングとは、個々の強みをチームの強みにつなげ、メンバー一人ひとりが組織目標を共有し、一丸となって突き進む、そんな効果的なチーム作りや一体感醸成をめざす手法です。
行動宣言
チームのリーダーとして、ストレングスマネジメントを職場でどのように実践するのか、成果に結びつけていくかを宣誓し、講師が助言を与えます。
ストレングスマネジメントのメリット
ストレングスマネジメントを身に付ければ、以下のようなパフォーマンスを発揮できます。
部下を誉めて成長させる
人間は常に周囲から感謝されたり、存在感を認められることで「承認欲求」が満たされる、つまり「やる気スイッチ」が働きます。
そうは言うものの、「叱る文化」で育ってきた日本人は、「誉める」事が苦手です。取ってつけたように誉めたら逆効果です。
ストレングスマネジメントを身に付ければ、メンバーの優れた点や良い活動を行ったその「一瞬」に気付き、自然に、かつ、より具体的に誉めることができるようになります。
多様性を活かした強いチームを作る
メンバーがお互いの強みを発揮すると、当然のようにコンフリクトが生じます。ストレングスマネジメントの成果を活かせば、チームのリーダーはそうした衝突を避けるのではなく、熱い議論を重ねて、建設的な成果を産み出すことができるようになります。
メンバーの強みを引き出しチームの結束力につなげる
メンバー自身の強みは、本人も気づいていないことが多いのです。リーダーは、ストレングスマネジメントを通じて、メンバーの強みを引き出し、活かしてあげることができるようになります。
さらに、個々のメンバーとリーダーとの間だけではなく、チーム全体でお互いの強みを共有し、お互いに励まし合い切磋琢磨するカルチャーが醸成されます。
自分の強みを知る
最後に、もう一つ大切なのは、チームを引っ張るあなた自身が、自分の強みを知ることです。
ソフトバンクの孫正義や、ファーストリテイリングの柳井正のように強いカリスマ性と指導力を放っていなければ、リーダーの資質が無いわけではありません。自らの優れた点を見出し、自分なりのリーダーシップを確立するのです。