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戦略人事
戦略人事とは、経営戦略の実現に資する人事機能を目指す考え方です。これは、リーダーシップや人事、組織論における多くの研究で知られるデイビッド・ウルリッチ教授によって提唱されました。
経営戦略は、いかに他社との差別化を図り競争優位性を創造していくかという計画です。この計画を人事資源活用によって実行していくためには、ビジネスモデルを人材育成や配置に反映させていくという経営者の姿勢が必要となります。
一方、人事部門には経営戦略の本質を理解することが求められます。これまでの人事は、人事業務の基本となるオペレーション業務や、経営基盤に影響を与える賃金等の人事インフラを整える守備型人事でした。しかし、戦略人事では、人事部門が積極的に自社の競争優位性を獲得するための攻撃型人事を行うことが求められているのです。
戦略人事の下では、経営陣と人事部門の連携が不可欠になります。この役割を担うのが、経営戦略への深い理解に基づき、事業部門への積極的な働きかけを通じて人材開発を行うHRビジネスパートナー(HRBP)です。また、人事戦略の推進役となり、人事資源を通じた企業の競争優位性獲得の執行責任を負う役割には、チーフ・ヒューマン・オフィサー(最高人事責任者 CHO)という名称が使われるようになっています。